本研究は、成人の障害者とく知的障害者を対象に、入所施設やグループホーム・ケアホーム等での居住の場における支援内容について検討するものである。 1.居住支援における先行研究の整理 文献研究や実践記録の分析、職員等への聴取によって、日中活動での支援内容を比較対象にして、居住の場における支援内容の固有性を抽出した。日中の活動や労働における目的志向性に対して、居住はその目的に向かおうとする活動力を再生産する支援と位置付けることができる。「ゆったりのんびり」と表現されるものはそこにある。さらに、主に集団で営まれる入所施設の生活と、主に個別で営まれるグループホーム・ケアホームの生活において、支援内容においても相違があると、新しい着眼点を抽出できた。 2.グループホーム・ケアホームにおける支援内容調査の実施 したがって本年度は、内諾を得ている協力法人が経営するグループホーム・ケアホームの調査に主眼をおいた。経営や労働条件に関するヒヤリングの予備調査をして、さらに77ホーム、195人の職員に対する24時間のタイムスタデイ調査をして、支援内容の特徴を分析した。 その特質は、一人の職員が個別にあらゆる生活支援をせざるを得ない、というものであった。役割分担、機能分担等のない、個別の生活への総合的支援である。したがって、本研究が視点とする、総合的な家事の個別的支援というものがここでより鮮明に見られると明らかにされた。なお調査は報告書として印刷発行し、また本としても刊行した。 したがって次年度では、対象の範囲を、よりグループホーム・ケアホームに比重をおいたものにしていく。
|