研究課題
本研究では、介護保険制度における要介護認定のデータと給付データを用いて2,000万人の要介護高齢者の経年的な変化を分析するためのデータベースを用いて、第1に「要介護高齢者の身体機能および精神、認知機能の経年的な変化」を予測に基づいた高齢者分類のためのモデルを開発し、第2に、この予測モデルの適用を高めるために「要介護認定データを用いた集団同期による高齢者分類方法の開発」を行う。これらの成果をもとに、社会福祉士等の地域福祉のエキスパートが適切な介護予防サービスのマネジメントを提供できるようにするための「介護予防サービス提供のためのガイドライン」の作成を目的としている。今年度は、1)経年的変化を分析するためのデータベースによる高齢者分類の妥当性の検証として介護保険制度実施から5年間の経年的な変化を追うことができる要介護高齢者のデータベースから、1万人程度の要介護高齢者の経年的変化を追うための新たなデータベースを作成した。2)「集団同期モデル」による高齢者分類を用いた分析としては、本研究で想定している経年的変化の予測モデルは、要介護高齢者の基本属性や心身の特性によって異なることが予想される。このため、予測モデルも特徴に応じた層別の分析が必要であり、この理論的なモデルの要介護高齢者データに適用を試みた。なお、この成果については、2008 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications(NOLTA2008)に発表し、国際的に高い評価を得た。また、具体的に、要介護高齢者を予防重視群と介護重視群を分類し、分析結果については、2008年度日本公衆衛生学会において発表し、保健医療福祉分野の専門家に一定の評価を得た。その他に計画している3)高齢者分類別の経年的変化のモデルの開発、4)地域における包括ケアを提供するための適切な介護予防サービスのマネジメントの検討については、21年度の成果を基に、21年度以降研究を進めていく予定である。
すべて 2009 2008
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IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences Vol. E92-A No. 1
ページ: 263-269
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences Vol. E91-A No. 9
ページ: 2514-2519