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2009 年度 実績報告書

自尊心の意味、効用、および既定因に関する比較文化的研究---合理的選択の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 20330131
研究機関東京大学

研究代表者

山口 勧  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80134427)

研究分担者 森尾 博昭  札幌大学, 経営学部, 教授 (80361559)
キーワード自尊心 / 比較文化
研究概要

本年度は以下の三点について、基礎的な研究を行った。
1.既存の研究データの分析
昨年度に引き続き、実証的なデータを報告している研究を取り出し、メタ分析を行った。その結果、これまでの結果に加え、成績や他者認知について、米国と同様の傾向があることを確認した。
2.高自尊心志向と自尊心表明の際の謙遜の確認
実験的手法により、日本人大学生だけでなく、中国人およびアメリカ人の学生も自尊心を高めたいという動機があるが、高い自尊心を表明すると他者から好まれないことを示した。しかし、日本人の場合には、高い自尊心と低い自尊心を比べると、高自尊心を示すことの方が好まれないことが明らかになった。これらの結果は、自尊心の重要性が文化を超えて一般性を持つとともに、高自尊心の否定的な側面も示している。
3.新たな自尊心尺度項目の作成
文献の検討を行い、いくつかの項目案を作成した。その信頼性および妥当性についての実証的な検討は、平成22年度に行う予定である。
4.自尊心の変動性について
自尊心変動性と動機との関連を検討した。過去の研究では、自尊心変動性が高い人は失敗後に攻撃的な反応をするなど、自尊心変動性のネガティブな側面のみが着目されてきた。しかし自尊心変動性の高い人は、評価的出来事への敏感さゆえに、一つ一つの評価的出来事への動機が高くなるとも考えられる。そこで、自尊心変動性と達成動機、防衛的悲観主義(課題を遂行する前に遂行水準に対する期待を低く見積もり、失敗を避けようとする動機)との関連を検討したところ、予測どおり、自尊心変動性と競争的達成動機、防衛的悲観主義との間に正の関連が見られ、自尊心変動性の高い人は、評価的出来事に対する動機が高いというポジティブな側面も持つということが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Functional Universality of Self-Esteem across Cultures2009

    • 著者名/発表者名
      山口勧、森尾弘明, 他
    • 学会等名
      Asian Association of Social Psychology
    • 発表場所
      ニューデリー(インド)
    • 年月日
      2009-12-13
  • [学会発表] Relationship among Self-Esteem Instability, Achievement motivation, and defensive pessimism2009

    • 著者名/発表者名
      福沢愛、山口勧
    • 学会等名
      Asian Association of Social Psychology
    • 発表場所
      ニューデリー(インド)
    • 年月日
      2009-12-13
  • [学会発表] Functional equivalence of self-esteem in Japanese culture2009

    • 著者名/発表者名
      山口勧、森尾弘明, 他
    • 学会等名
      International Academy for Intercultural Research
    • 発表場所
      ホノルル(米国)
    • 年月日
      2009-08-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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