研究課題/領域番号 |
20330133
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
唐沢 穣 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90261031)
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研究分担者 |
岡本 真一郎 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (80191956)
宮本 聡介 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (60292504)
松井 智子 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (20296792)
内田 由紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 助教 (60411831)
吉成 祐子 岐阜大学, 留学生センター, 准教授 (00503898)
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キーワード | 社会的認知 / コミュニケーション / 文化と認知 / 感情 / 語用論 / 原因帰属 / 言語と認知 / 言語発達 |
研究概要 |
・言語使用と推論過程との関連に関する実験研究に進展があった。自動詞文に比べて他動詞文では、行為者の意図性、統制可能性、責任などがより強く認知されることが明らかになった。 ・誤信念課題を用いた発達心理学的研究では、3歳児において会話を通した他者の心的状態に関する理解が形成されていることを示唆する結果が得られた。 ・集団間の敵意や赦しなどの感情に与えるコミュニケーションの影響についての研究で、加害集団と謝罪者との関連性(距離)に関する認知が重要な影響を持つことが明らかになった。 ・終助詞の使用を比較した発達心理学研究に、より一層の進展があった。特に3歳児では、高い確信度を示す話者に対して強い信頼を示すのに対し、5歳児では母親と他者との間で弁別が行われていることを示唆する結果が得られた。 ・文化心理学的研究では、他者からの援助を受けた後の感情反応において文化的基盤の影響が顕著に見られ、それがコミュニケーション内容に現れることが示された。 ・以上の研究を通して、国立国語研究所・言語類型論チームによる他動性研究プロジェクトなど、他の研究プロジェクトとの連携がより一層緊密になった。今後の連携強化が期待できる。 ・研究成果の公表に積極的に取り組むことができた。特に、日本心理学会および日本語文法学会においてそれぞれ、ワークショップを企画または参加することにより、学際的研究を一層進展させることに成功した。また海外においても、学際的研究学会に大いに寄与することができた。特に民俗心理学研究や社会的公正研究の学会などでは大きな反響を得た。
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