言語コミュニケーションによって、意図の伝達や対人関係の調節が行われる過程を、言語学的理解に基づいた上で計画された心理学的な実験研究を主とする実証的研究によって明らかにすることを目的とした。社会心理学的な観点からは、言語表現に用いられる述語の特質(たとえば動詞の他動性)が、原因の推論や責任追及の過程と関連すること、そしてこれが伝達するという目標によって影響を受けることを実験により確かめた。文化心理学的観点からは、対人葛藤の解決に用いられる言語表現と文化的特徴との関連が検討された。発達心理学的アプローチでは、心の理論の形成過程と助詞等の使用との関連が吟味された。
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