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2012 年度 実績報告書

言語学習システムの成立・洗練過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20330135
研究機関東京大学

研究代表者

針生 悦子  東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70276004)

研究期間 (年度) 2008-04-08 – 2013-03-31
キーワード言語発達 / 乳幼児 / 機能語 / 名詞 / アクセント / 語彙表象
研究概要

1)乳児向けの発話の分析: 日本語ではおおよそ、名詞は「直後に助詞がくることのできる単語」、動詞は「直後に活用語尾がくる単語」と定義することができる。すなわち、初めて耳にする単語でも、その直後にくる機能語に注目することで、その単語が名詞なのか動詞なのかを、見極めることができる、ということである。これまでの研究で、乳児も1歳半ころまでには、少なくとも、直後にくる助詞を手がかりとして、“名詞”という統語カテゴリーを理解するようになっていることが明らかになってきた。このような機能語の中で最初に乳児が手がかりとして使えるようになるのはどの助詞で、どの活用語尾なのかを明らかにするため、10か月、15か月の子どもに対する母親の発話を分析した。結果として、名詞につく助詞では「が」が、動詞の活用語尾では「っている」が最も頻繁に使われていることが明らかになった。
2)助詞を手がかりとした名詞の理解が可能になる時期についての検討: 上でも述べたように、本研究課題のこれまでの研究で、日本の子どもは少なくとも1歳半になるまでに、直後に助詞がつく単語のカテゴリー(=名詞)がわかるようになっていることが示唆されてきた。しかしその後、名詞分類の“難しさ”が、我々が実施した実験方法のアーティファクトである可能性が指摘され、本年度は、その点を改善した方法で再検討を行った。結果として、これまで見出されてきたよりさらに早く、15か月の時点で子どもは既に、名詞という統語カテゴリーを理解していることを示唆する結果がえられつつある。
3)アクセント違い単語の学習: 日本語では「飴」と「雨」のようにアクセント位置が違えば別の単語となる。本研究では、3歳児は既知の語とアクセント位置のみが異なる単語を新しい単語として学習できることを見出し、この年齢の子どもの語彙表象においてアクセントは重要な位置を占めていることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Are higher-frequency sounds brighter in color and smaller in size? Auditory-visual correspondences in 10-month-old infants.2012

    • 著者名/発表者名
      Haryu, Etsuko & S. Kajikawa
    • 雑誌名

      Infant Behavior and Development

      巻: 35 ページ: 727-732

    • DOI

      10.1016/j.infbeha.2012.07015

    • 査読あり
  • [学会発表] Chinese-speaking adults’ understanding of argument structure.2013

    • 著者名/発表者名
      Jiang, Lu & E. Haryu
    • 学会等名
      The 35 Annual Conference of the Cognitive Science Society
    • 発表場所
      Berlin, Germany
    • 年月日
      20130731-20130803
  • [学会発表] 単語の切り出しから語彙学習への道すじ

    • 著者名/発表者名
      針生 悦子
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会第12回学術集会
    • 発表場所
      玉川大学
  • [学会発表] 因果事象・非因果事象の記述に使われる項構造:中国人養育者の子どもへの発話に着目して

    • 著者名/発表者名
      姜 露 ・ 針生 悦子
    • 学会等名
      言語科学会第14回年次国際大会(JSLS2013)
    • 発表場所
      名古屋大学
  • [学会発表] The vowel-size relationship re-examined using speeded classification.

    • 著者名/発表者名
      Ohtake, Yuka & E. Haryu
    • 学会等名
      The 34 Annual Conference of the Cognitive Science Society
    • 発表場所
      Sapporo, JPN
  • [学会発表] 乳児におけるモノの動きと同期したラベリングの理解

    • 著者名/発表者名
      大竹 裕香 ・ 針生 悦子
    • 学会等名
      日本心理学会第76回大会
    • 発表場所
      専修大学
  • [学会発表] 擬音語の“音感覚”はどこからくるのか

    • 著者名/発表者名
      針生 悦子
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第31回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 擬音語感覚を育むもの-かな文字,そして,養育者のことば

    • 著者名/発表者名
      針生 悦子
    • 学会等名
      日本教育心理学第54回総会
    • 発表場所
      琉球大学
  • [学会発表] 24ヶ月児における同音異アクセント語の学習

    • 著者名/発表者名
      山本 寿子 ・ 針生 悦子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第24回大会
    • 発表場所
      明治学院大学
  • [学会発表] Infants’ mapping of a novel word presented in synchrony with object’s motion.

    • 著者名/発表者名
      Ohtake, Yuka & E. Haryu
    • 学会等名
      Biennial Meeting of the Society for Research in Child Development
    • 発表場所
      Seattle, USA
  • [学会発表] Japanese children’s learning of homophones with different accentual patterns.

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, Hisako & E. Haryu
    • 学会等名
      Biennial Meeting of the Society for Research in Child Development
    • 発表場所
      Seattle, USA

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公開日: 2014-07-24  

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