研究概要 |
子どもは2歳ころまでには,初めてであった単語の意味を,すばやく適切に推論する方略を身につけ,爆発的な勢いで語彙を獲得していくようになる。本研究課題は,このような効率よい学習システムが,(1)それ以前にどのようなプロセスをへて成立してくるのか,また,(2)それ以降どのように洗練されていくのかを明らかにすることを目的として計画された。より具体的に述べると,(1)については,(1)物理的には切れ目のない発話から単語を切り出し,その単語を品詞ごとに分類していくプロセスについて,助詞に着目した検討を行うこと,(2)人の口から発せられる音声が単なる音ではなく意味をおびた単語ととらえられるようになっていくプロセスを明らかにすること,(2)については,これまで主として研究されてきた名詞以外の種類の単語,たとえば,動詞や形容詞,オノマトペにも着目し,子どもがそれらの意味をも適切に推論できるようになっていく,そのプロセスとはどのようなものかを明らかにすること,を目指した。
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