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2009 年度 実績報告書

ニホンザルとゴリラの生涯発達に関する縦断的な行動研究

研究課題

研究課題/領域番号 20330151
研究機関大阪大学

研究代表者

中道 正之  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60183886)

研究分担者 大西 賢治  大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (30547005)
キーワードニホンザル / ゴリラ / 生涯発達 / 毛づくろい / 展示動物 / 長期継続研究
研究概要

勝山ニホンザル集団(岡山県真庭市)においては、全てのおとなメス(約65頭)を対象とした毛づくろいのデータをのべ約2500にわたり記録し、前年までのデータと比較した。老化に伴って、高齢メスは、末娘との毛づくろいがより集中しやすい傾向、さらに、頻繁ではなくても、10年以上の毛づくろい関係が継続している異血縁の高齢メスペアの存在などが明らかになってきた。また、親しい毛づくろい相手が死亡等で、集団からいなくなった時、高齢メスであっても新しい毛づくろいパートナを獲得すること、あるいは、若メスが母を亡くしたことによって、毛づくろい関係が急速に広がる事実なども確認した。さらに、高齢の祖母が、母不在の2週間にわたって生後2ヵ月半の孫の世話をしたこと、母の連続出産によって母からの授乳を受けられなくなった1歳の孫に対して、高齢祖母が授乳を含む世話行動を開始したことなどの新しい事実も記録できた。ゴリラについては、これまでに収集した昼間の放飼場での近接関係のデータと、夜間の居室での同室割合の関係についての分析を行い、昼間と異なる夜間の居室での近接パターンが存在することが明らかとなった。さらに、霊長類以外の哺乳類における長期の社会関係の様相を把握するため、クロサイの行動研究も追加して実施した。特に、霊長類の子育てパターンと単独性のクロサイの飼育下での子育てペターンの違いを把握することに努めた。単独性であるがゆえに、クロサイの子どもは母との近接頻度が成長してもほとんど減少しなかった。この事実は社会集団の中で、母とだけでなく他の集団メンバーと関わりながら成長するニホンザルやゴリラとは大きく異なることが明瞭となった。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Birth in a free-ranging Japanese macaques.2010

    • 著者名/発表者名
      Turner SE, Fedigan LM, Nakamichi M, Matthews HD, McKennaK, Nobuhara H, Nobuhara T, Shimizu K,
    • 雑誌名

      International Journal of Primatology (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Old grandmothers provide essential care to their young granddaughters in a free-ranging group of Japanese monkeys(Macaca fuscata)2010

    • 著者名/発表者名
      Nakamichi, M., Onishi, K, Yamada, K.
    • 雑誌名

      Primates 51(In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distribution of dorsal carriage among simians.2009

    • 著者名/発表者名
      Nakamichi, M., Yamada, K.
    • 雑誌名

      Primates 50

      ページ: 153-168

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ニホンザルの稀な行動に関する情報の交換と集約.2009

    • 著者名/発表者名
      中道正之・山田一憲・中川尚史
    • 雑誌名

      霊長類研究 25

      ページ: 15-20

    • 査読あり
  • [学会発表] キリンの母子関係と子どもの行動発達2009

    • 著者名/発表者名
      中道正之・村田千沙・高木直子・中野和彦・伊藤英之・山本裕己
    • 学会等名
      日本動物心理学会第69回大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      20090726-20090727
  • [学会発表] ニホンザルの高齢の祖母による孫への世話行動2009

    • 著者名/発表者名
      中道正之・大西賢治・山田一憲
    • 学会等名
      第25回日本霊長類学会大会
    • 発表場所
      中部学院大学
    • 年月日
      20090719-20090720
  • [学会発表] 飼育ニホンザル集団における攻撃交渉前の攻撃個体と他個体との親和行動2009

    • 著者名/発表者名
      上野将敬・山田一憲・中道正之
    • 学会等名
      第25回日本霊長類学会大会
    • 発表場所
      中部学院大学
    • 年月日
      20090719-20090720
  • [学会発表] ニホンザルの母子の葛藤にみられる生後1年半の発達変化2009

    • 著者名/発表者名
      山田一憲・中道正之
    • 学会等名
      第25回日本霊長類学会大会
    • 発表場所
      中部学院大学
    • 年月日
      20090719-20090720
  • [学会発表] ニホンザルにおける子ザルが発する鳴き声に対する母ザルの反応2009

    • 著者名/発表者名
      大西賢治・中道正之
    • 学会等名
      第25回日本霊長類学会大会
    • 発表場所
      中部学院大学
    • 年月日
      20090719-20090720
  • [図書] The Japanese macaques2010

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa N, Nakamichi M, Sugiura H
    • 出版者
      Springer(In press)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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