研究課題/領域番号 |
20330152
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上田 和夫 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (80254316)
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研究分担者 |
中島 祥好 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (90127267)
白石 君男 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (90187518)
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研究期間 (年度) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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キーワード | 臨界帯域 / パワー変化 / 因子分析 / 雑音駆動音声 / 異聴表 / 伝達情報量 / 周波数帯域除去 |
研究概要 |
これまでに行った,多言語音声を臨界帯域フィルターに通し,各フィルター出力のパワー変化を求め,因子分析を行う研究により,英独仏日中西語に共通する 3 因子,4 帯域が導き出された。この 4 帯域を用いて,雑音駆動音声(音源を雑音に置き換えた合成音声)を合成し,各帯域の音声知覚における役割を調べる実験を行った。男性話者が発話した日本語単音節 101 音節を用いて,20 帯域(臨界帯域)および 4 帯域の雑音駆動音声を合成した。さらに,4 帯域のうち 1 ないし 3 帯域を除去した刺激も作り,原音声の条件も含めて,全部で 14 条件について,10 名の実験参加者で,単音節の同定実験を行った。結果を異聴表の形にまとめ,母音の種類,子音の有声性,子音の調音様式のそれぞれについて,伝達情報量を計算した。母音の種類については,4 帯域のうち下から 2 番目の帯域が欠落すると,母音の区別がほとんどできなくなり,一方で,下から 2 番目の帯域に加えてそれ以外の帯域がどれか一つでもあれば,伝達情報量の低下はさほどでもないことが解った。子音の有声性については,一番下の帯域が欠落すると,伝達情報量が顕著に低下した。しかし,一番下の帯域のみを呈示しても,子音の有声性の判断はほとんどできなかった。この場合も,一番下の帯域に加えて,他のどれか一つの帯域が存在すれば,ほぼ元どおりの伝達情報量が保たれた。このことは,一番下の帯域と,他のどれか一つの帯域との間の時間的前後関係により,子音の有声性が知覚されていることを示す。前年度まではこの考えは推測でしかなかったが,今回,決定的な証拠を得ることができた。調音様式については,様式ごとに帯域の重要性が異なることが推察された。その他にも,音素の弁別素性と音声のパワー変化から得られた因子との関係を調べる研究,若年者と高齢者の聴覚特性を比較する研究などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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