研究概要 |
本年度は最終年度となることから、第一に、これまでの研究成果のとりまとめと発表を行った。国内においては、学会発表と論文執筆,実際に政策立案を行う立場にある市町村教育委員会の職員を対象としたワークショップ開催等を行い、開発したシステムをはじめとする研究成果の幅広い公表と,それに対する意見収集を積極的に行った. 第二に、特に今年度は海外における知見の発信を意識し、開発したシステムを用いた海外におけるワークショップの実施と、研究成果の公表、研究知見の交流にも力を入れた。具体的には、韓国で行われた国際シンポジウムでの報告や、米国の2都市(ワシントンD.C.およびワシントン州オーバーン市)におけるワークショップの実施を行い、システムの精緻化を行った。 第三に、開発したシステムを用いて2035年の公教育規模および公教育費規模のシミュレーションを行い、未来の学校規模と配置について、その実情の検証を行った。その結果、2035年には、小中学校ともに、単学級の学校が全国的に平均的な姿となり、学校規模と配置に関して、政策誘導も含めた新たな条件整備基準が必要となることが示された。こうした小規模の学校においては、組織運営に工夫が必要なことが本研究においてもすでに示されており、今後は、各地域・各学校において最適な編成を可能にする新たな定数算出の方法の構想をめざし、過密・過疎対策として適正規模・適正配置を模索する全国の自治体や学校に対応のための手立てを明示する必要がある。
|