(1)本研究ではまず、自治体改革との関連で社会教育・生涯学習の再編がどのように進行しているのかを、全国的な調査と各地の典型的な事例の実証的な分析を通じて明らかにする。その際の視点は主として、(1)市町村合併に伴う社会教育・生涯学習の再編、(2)指定管理者制度の導入やPFI等の民間委託に伴う社会教育・生涯学習の再編、(3)都市内分権等による地域組織再編成に伴う社会教育・生涯学習の再編、という三点に置く。また、社会教育・生涯学習とソーシャル・キャピタルの高い親和性に着目し、現在の社会教育・生涯学習の再編の方向性を考えていく上での視点として、ソーシャル・キャピタルの形成・蓄積に社会教育・生涯学習がどのように関与できるのか、という観点を設定する。 (2)社会教育・生涯学習の再編動向の分析を踏まえて、ソーシャル・キャピタルの形成・蓄積を促す新しい社会教育・生涯学習の理論的な枠組みと実際のシステムを構築することを目指し、典型的と思われる事例の実証的な調査研究を行う。事例分析を通して、ソーシャル・キャピタルにおける社会教育・生涯学習の構造的な位置づけを明らかにするとともに、公民のパートナーシップによる社会教育・生涯学習の現代的再編の改良的な方策を提案する。
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