研究課題/領域番号 |
20330167
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
湯川 嘉津美 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (30156814)
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研究分担者 |
福元 真由美 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00334459)
高月 教恵 福山市立女子短期大学, 保育科, 教授 (40270011)
高田 文子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (80383404)
永井 理恵子 聖学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (80345967)
塩崎 美穂 お茶の水女子大学, 生活科学部, 講師 (90447574)
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キーワード | 幼保一元化 / 幼児教育義務化 / 幼稚園カリキュラム / 保育実践史 / 保育要領 / 幼稚園基準 / 現職研修 |
研究概要 |
21年度は、20年度に引き続いて、戦後改革期の資料調査・収集を行うとともに、各人の役割分担にしたがって研究を実施した。おもな研究成果を示せば、以下の通りである。 1. 幼保一元化、幼児教育義務化論に関する検討 戦時体制下における幼保一元化、幼稚園義務化論の展開について、全日本保育聯盟、保育問題研究会、倉橋惣三の活動を中心に検討し、日本保育学会第62回大会において、「戦時体制下の幼児教育制度改革要求-「国民幼稚園」の主張を中心に-」と題し、発表を行った。また、福山市立女子短期大学主催のシンポジウム「福山の保育・教育の質を高める-保幼小連携について考える-」(2009.12.26)では、「幼児教育の歴史からみた保幼小連携とその課題」と題する報告を行い、今日の幼保一元化・幼児教育義務化、幼小連携をめぐる問題に歴史的立場から提言をなした。 2. 幼稚園カリキュラム、保育実践に関する検討 戦後の「保育要領」「幼稚園基準」の作成について、国立国会図書館憲政資料室所蔵の日本占領関係文書を用いて検討を行った。また、研究分担者の高月はこれまでの研究成果を『日本における保育実践史研究』として出版した。東京女子高等師範学校附属幼稚園の実践のみならず、奈良女子高等師範学校附属幼稚園や保育所「若竹の園」における保育実践を史料をもとに描き出した、保育実践史研究の貴重な一書である。 3. 保育者養成・現職研修制度の成立と展開に関する検討 占領期の教育指導者講習(IFEL)を取り上げ、戦後新教育の出発に際し、いかなる「幼稚園教育」の講習が行われたのか、関係資料の発掘と検討を行った。日本保育学会第62回大会では、自主シンポジウム「戦後日本幼児保育史の探究-制度・理論・実践-」を開催し、「占領期の教育指導者講習(IFEL)と幼児教育」と題する報告を行った。そして、IFFLにおける幼児の観察記録の方法やグループワークによる幼児教育研究が、その後の保育(実践)研究のあり方に大きな影響を与えたことを明らかにした。
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