研究課題/領域番号 |
20330173
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大塚 豊 広島大学, 教育学研究科, 教授 (00116550)
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研究分担者 |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (70301306)
楠山 研 長崎大学, 教育学部, 准教授 (20452328)
石井 光夫 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (30375175)
服部 美奈 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (30298442)
竹熊 尚夫 九州大学, 人間環境学研究科, 准教授 (10264003)
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キーワード | 華人 / 華僑 / ディアスポラ / 華語教育 / アイデンティティ |
研究概要 |
3年計画の最終年度に当たる本年度は、前2年度に実施したインドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、カンボジアの6か国ならびにCDの父祖の地である中国や台湾に対象として、補足の現地調査を実施した。これらの調査では、華人ディアスポラが主体となって推進される各国での華語教育、さらには当該国での外国語としての漢語教育の実態解明を目指した。 とくにインドネシア、タイでは質問紙による華語教育に関する調査を実施し、当該国の児童・生徒が華語の学習に対して持っている意識ならびに華語学習の実態の一端を明らかにすることができた。同時並行して実施したのが各国での華語教材の内容分析であり、前2年間も含めて現地調査の機会を利用して少しずつ集め続けて来た各国の華語・漢語教科書の内容を中国や中華文化からの距離感という観点に立って分析し、学会発表するとともに、論文としてまとめた。本研究課題のもう一つの柱として設定した(1)華人ディアスポラによる中国への教育支援と中国政府の対華人ディアスポラ政策、(2)台湾が行うアジアを中心とする各国の華人のための教育支援、(3)中国以外のアジアのいくつかの国での華人ディアスポラの教育支援についても、その実態解明に務めた。また、アジアとの対比という観点から、在米華人による寄付活動も取り上げることができた。これらの研究成果をとりまとめ、『アジアにおける華人ディアスポラの教育への関与に関する国際比較研究』と題する報告書(全240頁)を作成し、平成23年度3月20日に刊行した。同報告書は関係諸機関および本研究課題に関心をもつ研究者に送付し、研究交流の一助となることを期した。
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