研究課題/領域番号 |
20330174
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
油布 佐和子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80183987)
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研究分担者 |
越智 康詞 信州大学, 教育学部, 教授 (80242105)
紅林 伸幸 滋賀大学, 教育学部, 教授 (40262068)
中澤 渉 東洋大学, 社会学部, 専任講師 (00403311)
川村 光 滋賀大学, 教青学部, 特任講師 (50452230)
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キーワード | 教職の専門性 / 教育改革 / 教職の脱専門性と再専門性 / パストラルワーク / 教員団体(ユニオン) / 成果主義 |
研究概要 |
本研究は、教育改革期における教職の変容の全貌を明らかにし、今後の教職の行方について、学術的・政策的インプリケーションを導くことを目的としている。 そのために本年度は第一に、研究初年度に実施したアンケート調査を1995年・2000年に実施した調査と比較し、時系列的分析を実施した。分析の結果、学校組織運営体制が再編され、教師の日常的教育活動を規定する領域がこの15年間で大きく変容していることが明らかになった。改革は学校現場や教師の仕事に浸透しており、「学校目標へのコミットメント」が教師のやりがいにつながっていることも示された。この分析の詳細については、日本社会学会第61回大会で報告し、その内容を早稲田大学教職研究科紀要に掲載した。また、学会発表が注目され、日経新聞2010年1月25日付記事にこの報告内容が取り上げられた。 第二に、臨時任用教員問題に注目し、学校組織の中で、教師の同僚性や仕事内容にどのような影響が現われているかを検討するための新しいアンケート調査を実施した。東京・大阪・神奈川、福井、岡山、秋田の6県の学校を対象とした調査は、現在回収票の入力作業にかかっている。また第三に、教職の専門職性、教育改革・成果主義と教職について、国際比較調査により、それを検討することを計画しているが、本年度はその一環として、フィンランドでの学校訪問、教員インタビュー、教員組合インタビュー、イギリスでの資料収集を実施した。アングロサクソン系の教育事情とは異なるフィンランド調査を実施したことで、新たな視点を得ることができた。この調査については、年度末に実施したため、現在資料を集約している最中である。 来年度は上記第二、第三の調査の分析を行い、フォローアップ調査をするとともに、これまで実施してきた調査の取りまとめに入る予定である。
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