研究課題/領域番号 |
20330177
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
斉藤 くるみ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (30225700)
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研究分担者 |
渡部 淳 日本大学, 文理学部, 教授 (80366541)
八木 ありさ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (80249648)
関 啓子 神戸大学, 医学部, 教授 (90154640)
槻舘 尚武 国際基督教基督教大学, 教育研究所, 研究員 (80512475)
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キーワード | 教育心理学 / 言語学 / 演劇 / 手話 / 舞踊 / 異文化理解 |
研究概要 |
手話・演劇・舞踊という身体表現と言語的・非言語的コミュニケーションの関係を、各研究者の分野を学び合い、またワークショップや研究大会を開き、一般参加をつのりながら検証した。 斉藤はソーシャルブレインの研究から、手話・舞踊・演劇に伴う共感について考察を深めた。さらに科学研究費(萌芽)によるバリアフリー教育教材開発の中で得られた知見から、特に聴覚障害をもつ学習者と一般の学習者がともに学ぶ際の言語的バリアーを調べ、情報保障を通した相互理解について考察した。その後ろう者(聴覚障害者の中で手話を使用する人)と聞こえる人との身体表現によるコミュニケーションについてワークショップを開き、実験を行った。 斉藤(代表者)・槻舘は、人と人とのコミュニケーションによる脳の変化をHEGを使って研究する方法を開発し、またアイマークレコーダーにより、コミュニケーションのための視線を計るなどの方法も試みた。特にろう者と聴者とのコミュニケーションの中での視線は、言語であれ、非言語であれ、一貫してろう者では視線の安定が、聴者では視線の不安定が計測された。 八木を中心に行った身体表現のワークショプでは舞踏の第一人者(ろう者)雫境氏を招いて、身体表現の模倣や相互作用の実験を行った。そこではふたり組みで言語のない状態でお互いの身体表現を見ながら、身体表現を続け、ビデオ撮影をし、ろう者と聴者、ろう者同士等々の視覚的な非言語的相互関係の特徴をさぐることを試みた(分析は次年度に続く。) 渡部を中心に開催した公開セミナー「学びをひらく16のドラマ技法-ドラマ技術があなたの授業を変える」では、代表者斉藤・共同研究者の参加以外に、小中高校の教師たちが参加し、学びの全身化を目指す獲得型教育のワークショップが行われた。(これは渡部が2006年に立ち上げた獲得型教育研究会の研修会を本科研研究の趣旨に沿って本科研費で開催したものである。)この中では言語を同一とする参加者によるドラマ的手法や写真創造式の身体表現を通し、テーマ別の相互理解を深める手法を試行した。
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