研究課題/領域番号 |
20330177
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
斉藤 くるみ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (30225700)
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研究分担者 |
渡部 淳 日本大学, 文理学部, 教授 (80366541)
八木 ありさ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (80249648)
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キーワード | 異文化教育 / 手話 / 演劇 / 舞踊 / 共感 |
研究概要 |
手話・演劇・舞踊と言う身体表現と、言語的・非言語的コミュニケーションの関係を探り、それらを視覚的に認知することにより、他者の共感が養われることを証明し、言語的身体表現・非言語的身体表現を利用した他言語・異文化理解のための教育プログラムを開発することを目的とする。 手話・演劇・舞踊を利用した授業やワークショップにより共感性がどの程度高まるかを、質問紙を作成し、測った。それを利用して、以下のように、教育プログラムを開発した。 身体表現を重視した教育プログラムを開発するため、全身で学び、自立的学習者となり、かつ協同的学習により、互いに共感しながら、社会的存在としての自分を定位する教授法を考案した。これは言語を重視した演劇的学習によるもので、フィクションの世界とリアルな世界の往還で、多元的価値への開放性や異文化間リテラシーの形成を行うものである。一方、非言語的な身体表現を使ったプログラムでは、指導者が言語を使わずに、個々の学習者の動きから、協同的な動きへと導くことによって、学習者たちの共感性を高めることができた。この場合学習者も言語を使わず身体表現をツールとする。このように互いに言語が違っても、共感を高めることができるプログラムを開発した。さらに手話を使ったプログラムでは手話を第一言語とするろう者にとっては言語的コミュニケーションであり、手話の習得が不完全、あるいは手話未習得の学習者にとっては非言語的コミュニケーションの要素が強くなる。手話の言語性の度合いにずれのある集団において、共感性を高めるプログラムを考えた。また語学としての「日本手話」を中心にした、手話者・非手話者が共に学ぶ教育プログラムも開発した。
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