教育課程と関連づけられた部活動は、教科・進路指導等の学校教育活動に対してどのような効果をもつのか。この研究課題に対して平成20年度は以下の2点の調査研究を行った。 第一に、8都県の公立中学校の管理職と各校5名の教諭に対して、部活動の指導と運営に関する質問紙調査を行った。その結果、まず、管理職対象の調査からは、地域や学校規模によって、部活動の設置数や顧問教師の指導体制には大きな違いがあることが明らかになった。教育課程との関連づけにあたっては、地域姓や学校規模に応じた個別の対応の仕方の検討を、次期学習指導要領完成年度までの重要な課題として指摘した。 また、教員対象の調査からは、教員の部活動指導への関わり方には、平日も休日も参加するタイプ、平日のみ参加するタイプ、休日のみ参加するタイプ、全般的に参加しないタイプに分けることができることが明らかになった。タイプごとに、他の校務への関わり方との関連や教職観・教育観を検討したところ、部活動指導に熱心な教師ほど、他の校務にも積極的に関わる傾向や、生徒理解が高い傾向があること、学校で行う教育を幅広く、また人間形成的な指導に重きを置く傾向があることなどが明らかになった。次期学習指導要領に向けては、多様な教師のタイプに応じた部活動指導への関わり方の確立の検討の必要性を指摘した。 第二に、高校生が、放課後をどのように過ごしているかを検証するために、都立普通科高校生を対象の質問紙調査を行った。その結果、入試難易度の高い高校の生徒ほど学校内の活動に、低い生徒ほど学校外の活動に従事する傾向があることが明らかになった。
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