平成21年度には、次期学習指導要領で部活動を教育課程と関連づけを図ることを留意するように求められたのを受けて、各地の教育委員会の取り組みを、インタビュー調査により明らかにすることを目的としていた。しかしながら、教育課程内の移行措置を進めることや新型インフルエンザの対応が優先されたことなどにより、平成21年度中には、部活動と教育課程の関連づけへの取り組みについて調査を実施する状況に至らなかった。 そこで、本調査研究については、平成22年度に繰り越して実施することとなった。 平成22年度に各地の教育委員会にインタビュー調査を行った結果、明らかになった点と、次期学習指導要領の全面実施に向けた課題と指摘できる点は、以卞の点である。 1. もともと教育課程外の活動であった部活動は教育課程内の活動に比べて保護者や地域社会との関わり方ははるかに多様であり、かつその関わり無しには成り立たないケースが非常に多い。また、地理的文化的な特性にも強く影響を受けている。このことは、今までもそれぞれの学校ではわかっていたことではあるが、教育課程との関連づけを図ろうとすることによって、より自覚的になったと考えられる。 2. そのため、都道府県、区市町村によって、教育課程との関連づけ方として検討されている点も以下にまとめるように非常に多様なものであることがわかった。 i. 教科の学習活動との関連づけを図る ii. 特別活動との関連づけを図る iii. 教育課程になるべく大きな影響を与えないような位置づけ方を図る 3. 以上のような部活動と教育課程の関連づけ方の多様性は、それぞれの学校の特徴となりうるものである一方、その多様性故に、教員や関係者の負担増になる可能性もあると予想される。制度を適切に運用できるだけの人的、物的、経済的な保障を検討していくことが、課題として指摘できる。
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