研究課題
20年度は、本学教職大学院の4コース毎に、連携協力校を対象としたアンケート調査等を実施した。学校経営コースは、50校を対象に、(1)学校課題調査、(2)学校管理職に求められる能力調査、また、(3)教育委員会における教育行政専門職に求められる能力のアンケート調査、(4)学校管理職と教育行政専門職の能力開発方法を調査した。本調査により、目指すべき学校管理職と教育行政専門職像の輪郭をその習得に適した方法を明確にした。授業実践リーダーコースは、11校15人の教員に、「よい授業」の特徴や成立条件、必要とされる力量、学習観・指導観などについてインタビューを行ない、「授業力」概念について、教職歴による多様性と共通性を検討した。また、約180校の教頭を対象に、専門科目で扱う知識やスキルのリストを提示し、(1)ミドルリーダーとしての必要度と、(2)現場での実習可能性の2次元で評定を求める質問紙調査を実施した。心の教育実践コースは、小・中学校の教員12名を対象にインタビュー調査を実施した。まず、現在の学校現場で生起している「心の教育」にかかわる問題事象とそのような問題事象へ対応するために必要なリソース(知識、能力等)について調査した。次に、カリキュラム改善のための基礎的な資料となる学校現場の教員の「学び」に対する考え方(「学習観」)について調査した。小学校教員養成特別コースは、アンケート調査の妥当性をより高めるため、幼稚園教員と小学校教員を対象に、幼小連携を進める上で必要な知識・意識や態度・技術や技能についてインタビュー調査を実施した。本調査により、現場教員らの意見を聞くことで、どのような教員を養成するべきかについて実践的な知見を得た。また、学校現場における幅広い教育の実態を適確に把握することができ、21年度実施する調査項目について検討を行うことができた。これらの研究成果をもとに、21年度の研究に取り組む。
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兵庫教育大学教育・社会調査研究センター国際シンポジウム2008報告書教員リカレント教育の新たな可能性を求めて
ページ: 84-105
教職研修
ページ: 52-55