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2010 年度 自己評価報告書

発達障害児・者のためのコミュニケーション学習支援システムの開発

研究課題

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研究課題/領域番号 20330197
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 特別支援教育
研究機関北星学園大学

研究代表者

田実 潔  北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (00337007)

研究期間 (年度) 2008 – 2011
キーワード発達障害 / パニック行動 / 非言語コミュニケーション / パソコン
研究概要

(1)目的
発達障害児・者のコミュニケーション障害は、対人関係を含む社会性の障害と考えられることができ、最近の社会障害説では自閉症の1次障害と言われている。このコミュニケーション障害は、単なる言語の障害や言語をもちいての狭義のコミュニケーションの障害だけを指すのではなく、文脈や状況などのコンテクストを理解することや、その上で状況に応じた適切な表現手段や言語を選択して使う語用論等の困難さと考えられる。これは、通常の場合は経験を積むことによってスキルとして獲得されていくものであるが、発達障害児・者はこの経験値を積み上げることができにくい、とされている。そこで、できるだけ多くの考え得るコミュニケーション場面を想定した具体的な支援や指導が必要になってくるが、本研究ではそれを可能にするPC上でコミュニケーションスキルを学習させる学習支援システムを開発することとする。それを用いて多様なコミュニケーション場面を疑似体験しながら社会的コンテクストを学び理解させることで.発達障害児・者への学習効果の探求を目的としている。
(2)内容
発達障害児・者のコミュニケーションの困難さを改善する学習支援システムの開発を目指して学習支援システムを開発・作成を行う。これまでの3年間で、発達障害児・者の円滑なコミュニケーション行動を妨げている、パニック行動を喫緊に取り組むべき課題として取り上げ、アメリカのカーネギーメロン大学で開発されたCognitive Tutorをモデルにシステム開発を模索した。
その結果、今回開発したシステムは、Flashで作成したパニック・リフレクションモデル(以下、PRM)である。実際に発達障害のある人が起こしたパニック行動を題材に、パニックに至る行動をスモールステップで分析し、いくつかの行動レベルに分け、それぞれの行動場面で、自分が選択した行動以外にも選択できそうな行動を提示し、改めて行動選択を問うことでパニックに至らない行動選択があることに気づかせることをねらいとしている。実際に自分が選択した行動以外に選択できた可能性のある行動も提示することで、実際の行動選択ではパニックに至るが、いくつかの段階で実際の選択と異なる行動選択をしたならば、結果的にパニックに至らない、あるいはパニックを起こすほどひどい状態にならなくても良いかもしれない結果に至ることを学習するものである。同じパニックに至るような刺激があった場合でも、いくつかの行動レベルにおいて自分の選択した行動以外の行動を選択すれば、パニックに至らぬこともあり、もっと積極的にパニックに至らないためにはどのような選択肢を選択すれば良いか、を学ぶ良い機会になると思われる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010 2009 2008

すべて 学会発表 (9件)

  • [学会発表] PANIC REFLECTION MODEL FOR A CHILD WITH ASPERGER' S SYNDROME : ITS EFFECT AND APPLICABILITY.2011

    • 著者名/発表者名
      Katsunobu IZUTSU、Kiyoshi TAJITSU、Takeo TATSUMI、Yoshiaki NAKANO、T.WADA.
    • 学会等名
      Colloque International Autisme ComSym.
    • 年月日
      20110000
  • [学会発表] AN EXAMINATION OF THE EFFECTIVENESS OF PANIC REFLECTION MODEL FOR A CHILD WITH ASPERGER' S SYNDROME.2010

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshi TAJITSU、Yoshiaki NAKANO、Katsunobu IZUTSU、Takeo TATSUMI、Tutomu WADA.
    • 学会等名
      IASSID-Europe Conference in Rome
    • 年月日
      20101000
  • [学会発表] Wiimote PDsitioning System(WPS)の開発と応用領域ならびに機能拡張2010

    • 著者名/発表者名
      中野由章、田実潔
    • 学会等名
      情報処理学会情報教育シンポジウムSummer Symposium in Shibukawa
    • 年月日
      20100000
  • [学会発表] 発達障害児・者へのパニック対応学習支援システムの開発II2010

    • 著者名/発表者名
      田実潔、大杉成喜、中野由章、白岩怜、坂井聡
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第48回大会自主シンポ
    • 年月日
      20100000
  • [学会発表] Modality shift : KY扱いの発話行為とそのコンテクストの概念記述を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      井筒勝信、田実潔
    • 学会等名
      日本語用論学会第13回大会
    • 年月日
      20100000
  • [学会発表] A study of the system making to support the panic action improvement of the children with high-function autism.2009

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshi TAJITSU, Ikuya MURATA, Katsunobu IZUTSU, Takeo TATSUMI
    • 学会等名
      IASSID 2nd ASIA PACTFTC REGIONAL CONGRESS.
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] 発達障害児・者へのパニック対応学習支援システムの開発I.2009

    • 著者名/発表者名
      田実潔、加藤潔、辰己丈夫、村田育也、太田容次
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第47回大会自主シンポ
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] Wiimote Positioning System(WPS)-An epoch-making system of indoor position detection-2009

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki NAKANO, Takeo TATUMI, Kiyoshi TAJITSU
    • 学会等名
      Alameda Cesar Nascimento(646)
    • 発表場所
      Florianopolis, Brazil.
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] 自閉症児のパニック行動に対する情報技術による支援2008

    • 著者名/発表者名
      辰己丈夫、田実潔、井筒勝信
    • 学会等名
      情報処理学会コンピューターと教育研究会
    • 年月日
      20080000

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公開日: 2012-02-13   更新日: 2016-04-21  

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