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2010 年度 実績報告書

アーベル多様体のモジュライ空間の整数環上の大域的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20340001
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 郁  北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50022687)

キーワード有限群スキーム / レベル構造 / アーペル多様体 / モジュライ空間 / コンパクト化
研究概要

今年度の目標はアーベル多様体のモジュライ空間を悪い素点までコンパクト化を延長し,悪い素点での振る舞いを理解することであった.この点では多くの進展があった.たとえば,この問題で知られている結果はKatz-Mazur, Deligne-Rapoportの1次元の結果であるが,この場合に一部非常に具体的に記述することができ,一般的な視点で見ることができるようになった,Demazureのp-可除群の理論を適用して,Dieudonne加群G(1/2)を用いて表示すると,nがどんなに大きくても,E[p^n]の構造を正確に記述できる.さらに,小さなnに対してWeil対形式はArtin-Hasse exponentialを用いて正確に記述できた.これはHeisenberg群の既約表現を構成するために重要なステップである.自明でない最初の場合は標数3の超特異楕円曲線y^2=x^3-xの場合であるがこの場合,E[3]=Spec F3[z]/(z^9)となり,最大自己直交部分群H=Spec F3[z]/(z^3)を持つ.またE[3]のWeil対形式はe(z,w)=1+wz(w^2-z^2)(unit)として与えられる.この結果既約表現は(a,z)theta(bar w)=ae(z,w)theta(bar(w+z))と完全に具体的に記述できる.ただし,bar zはzを含むE[3]/Hのクラスを表す,標数pの超特異楕円曲線に対して考えると,超越的には群\Gamma(p)が現れる
\Gama(p)の場合,[\Gamma:\Gamma(p)]=p^2(p-1)であるが,これに対応して,標数pの超特異楕円曲線の全ての一般レベル構造を表現する空間として,階数p^2(p-1)の有限スキームが得られ,Weil対形式のArtin-Hasse exponentialによる具体的な形と完全に整合する.これはアーベル多様体のモジュライ空間のコンパクト化を悪い素点まで延長する方法が,現在考察中の方向で正しいことを示唆する(裏付ける)事実である.現在,1次元の場合を完成すべく,鋭意研究中である

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Another canonical compactification of the moduli space of abelian varieties2010

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, Iku
    • 雑誌名

      Advanced Studies in Pure Mathematics, Mathematical Society of Japan

      巻: 158 ページ: 69-135

    • 査読あり
  • [学会発表] Extended Dynkin diagram in McKay correspondence2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, Iku
    • 学会等名
      Arithmetic and Algebraic Geometry 2011
    • 発表場所
      Tokyo University 招待講演
    • 年月日
      2011-01-20

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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