研究分担者 |
松本 眞 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70231602)
木村 俊一 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10284150)
石井 亮 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10252420)
高橋 宣能 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60301298)
伊藤 浩行 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60232469)
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研究概要 |
Frobenius超特異性という概念を導入し,この性質を持つ多様体の非自明な例を構成して,その性質を詳しく調べた.有限体上定義された非特異射影多様体は,Frobenius固有値がすべて基礎体の位数の整数幕であるとき,Frobenius超特異であるという.有限体上の線形空間とそのFrobenius像の包含関係により定義されるグラスマン多様体の直積の部分多様体としてFrobenius超特異多様体の例を構成し,その単有理性を証明し,さらに代数的サイクルのなす格子を記述した.副産物として,84次元の偶格子で密度がMinkowskii-Hlawka限界をこえるものが得られた.(現在論文準備中.) 研究分担者の高橋宣能とともに,4本の直線にそって分岐する射影曲面の巡回被覆として得られる代数曲面のネロン・セヴェリ格子の構造を,Zariski-van Kampenの方法を用いて詳しく調べた.(現在論文準備中.) 単純K3特異点のリンクの位相型について,片長敦子との共同研究をすすめた.トーリック多様体の理論を用いた特異点の解消によりリンクの2次元ホモロジー群を決定することを試み,いくつかの場合に計算を実行した. 2010年3月には広島大学において研究集会「Branched Coverings, Degenerations, and Related Topics 2010」を開催し,特異点のトポロジー,超曲面の補集合の特性多様体,曲面の写像類群などに関して議論を行った.トルコのBilkent大学よりDegtyarev教授を招聘し,この研究集会において講演をしてもらうとともに,射影曲面の分岐被覆として得られる代数曲面のネロン・セヴェリ格子の構造について議論を行った.
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