研究分担者 |
隅広 秀康 広島大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (60068129)
木村 俊一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10284150)
石井 亮 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10252420)
高橋 宣能 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60301298)
高橋 浩樹 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90291476)
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研究概要 |
今年度は超特異K3曲面の射影モデルについて研究をおこなった. 標数5の超特異K3曲面でアルティン不変量が1のものは,同型を除いて一意的に定まる.以下,このK3曲面をXと記す.Xは6次のフェルマー曲線で分岐する射影平面の2重被覆という射影モデル(6次フェルマー2重平面モデル)をもつ.6次フェルマー2重平面モデルを用いて,Xのネロン・セヴェリ格子の基底を与える曲線の定義イデアルを明示的に求めた.この基底をもとに,6次フェルマー2重平面モデルを与える偏極ベクトルとの交点数が5以下の偏極ベクトルをすべて求め,これらの偏極ベクトルのうちで次数が2のもの(全部で146945851個ある)を射影同型により分類した.その結果,分岐曲線として現れる平面6次曲線のクラスを65個発見し,それぞれの定義方程式と射影的自己同型群を求めた.これらの平面曲線は標数5に特有の興味深い幾何学的性質を持つ.さらにXの非特異4次曲面の射影モデルを発見した.また,研究の過程において,有限体上のエルミート曲線と2次曲線の交換可能なペアに関するB.Segreの古典的な結果を高次元に拡張した. この研究のために,K3曲面のネロン・セヴェリ格子の与えられたベクトルが偏極ベクトルであるか否かを判定するプログラムを書いた.このプログラムは,K3曲面の射影モデルや自己同型群の今後の研究に役に立つと期待される. また,有限体に係数をもつ多項式の計算を行うプログラムをC言語で書いた.
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