森はProkhorovと、端末的3次元射影多様体の端収縮射f:X→Zの1タイプであるQコニック束を特異ファイバーの近傍で研究した。具体的には、既約な特異ファイバーに対して、Reidの一般象予想(General Elephant Conjecture)と呼ばれる予想を証明した。以前の結果では未解決であった、曲面Zの非特異点上の既約な特異ファイバーの場合を今回解決したことによって確立したものである。これは、特異ファイバーの近傍で反標準線形系の一般元がDu Val特異点しか持たないという主張で、特異ファイバーの構造解明のステップになる結果である。 また、森とProkhorovは、3次元端末的Qデルペゾ束に対して、特異ファイバーが他の因子の自然数m倍になっているなら、その自然数mは6以下であることを示した。 その証明は、Reid型のRiemann-Roch公式を用いた数値的議論である。この結果自体は強力なものではないが、mとして非常に少ない可能性しかないことは、分類の対象になりうることを示している点で意義がある。
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