研究課題/領域番号 |
20340005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
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キーワード | Qコニック束 / 因子収縮射 / フリップ収縮射 / 反標準線形系 / Du Val特異点 / 端末特異点 / 一般象予想 / 極小モデルプログラム |
研究概要 |
森はProkhorovと、端末的3次元射影多様体の端収縮射f:X→Zを特異ファイバーCの近傍で研究してきた。昨年、手法を改良して、Qコニック束ばかりでなく、因子を曲線につぶすタイプの因子収縮射も研究できるようになった。 その結果、局所分類で(IA)型と呼ばれるもののうち、Cが既約なものの分類が完成した。この場合には、Cを含む、自明線形束の一般元Hの構造を決定する形で分類がなされた(2011年出版済み)。さらに他の型の研究も、Cが既約の場合に同様な手法で分類を目指している。 まず、既に我々が解決した一般象予想(General Elephant Conjecture)の結果を適用して、(IC)型と(IIB)型の端収縮射の分類が完成した(投稿済み)。 (IIB)型については、これまではフリップ収縮射の場合しかHの構造は決定されていなかったが、因子収縮射、Qコニック束の場合にもHが正規であることを示し、その構造も決定した。 (IC)型については、因子収縮射ではないことがわかっていたので、Qコニック束の場合だけが未解決であった。今回の研究では、フリップの場合と異なり、指数m=5の特殊な場合しか、XはQコニック束にはならないことがわかり、さらにHが正規であることもわかり、その構造も決定された。 さらに、(IIA)型の端収縮射の分類を開始した。Hが非正規となる少数の場合を残して分類がほぼ終わり非正規の場合に取りかかっている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年度から数理研所長に選ばれたため、研究時間が十分とれていない。昨年度末に行った、Prokhorovとの共同研究でも、そのために予定した分類結果まで到達できていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在の所長業の制約では、ペースを落とさざるを得ないが、Extremal curveが既約な場合のQコニック束と因子収縮射の分類は、現在取りかかっている場合を別にすると、あと2つの場合が残っているのみである。したがって、一先ず、目的をこの場合の分類に絞って、できるだけ研究を進める予定である。
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