研究概要 |
【1】 コンパクトローレンツ多様体の平坦性.我々は次のことをことを示した. 定理1. コンパクトローレンツ多様体Mが光的共形変換群からなる非コンパクト2次元リー群 C=S^1×Rをもつとき,Mは共形平坦である.これは,比較的大きい次元のリー群がコンパクトローレンツ多様体に作用しているとき,剛性結果を導くものと考えられる.またその応用として, 系2. コンパクトFefferman-Lorentz多様体M^<2n+2>が非コンパクト2次元アーベル光的共形変換群Cをもつとき,Mはモデル単連結共形平坦多様体R×S^<2n+1>を無限巡回群Zによる商R×S^<2n+1>/Zとして得られることを示した.ここでZのU(n+1)^~への表現は分類される. 【2】 コンパクト等質lcK多様体の構造決定.次の結果を得た. 定理3. G/Hを(ケーラー多様体でない)コンパクト等質lcK多様体とするならば,G/Hは直積S^1×S/Kと正則同型である.ただしS/Kは等質佐々木多様体でコンパクト単連結ケーラー代数多様体S/D(T)上の接続束としての主S^1-束を持つ. この結果はGが局所的にコンパクトreductive群S^1×Sに同型であることを意味するから,ケーラー等質幾何では決して起こりえない次の結果が出る. 系3. Gを任意の複素リー群,Hをその閉部分群とする.ケーラー構造をもたない等質空間G/Hはいかなる1cK-構造も持たない. 系4. コンパクト非球形等質空間G/Hがケーラー構造を持たない局所等質lcK-構造を持つならば,適当な有限被覆をとれば位相的にS^1と佐々木多様体の直積となり,さらに複素トーラスと非正曲率多様体の直積上の非自明なファイブレーション-T^1_c→G/H→T^k_c×Γ\H×…×Hをもつ.
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