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2011 年度 実績報告書

4次元多様体とリーマン面

研究課題

研究課題/領域番号 20340014
研究機関学習院大学

研究代表者

松本 幸夫  学習院大学, 理学部, 教授 (20011637)

研究分担者 足利 正  東北学院大学, 工学部, 教授 (90125203)
キーワード4次元多様体 / リーマン面 / モジュライ空間 / コンパクト化 / オービフォールド / 局所符号数 / グルポイド
研究概要

4次元多様体をリーマン面が複素パラメータに沿って退化して行く「軌跡」と考えて、そのトポロジーを調べる
方法で研究した。もっとも力を入れたのは、リーマン面のモジュライ空間の「ドリーニュ・マンフォードのコンパクト化」(簡単にDMコンパクト化と呼ぶ)の上にリーマン面の「普遍退化族」が乗っていることの証明である。
この研究で苦しかったのは、この結果がDMコンパクト化に関する一般的な常識にやや反していることである。
DMコンパクト化の上にはそのような普遍退化族は存在しないというのが常識である。しかし、このような常識は次の3点に関する理解不足に起因する。(1)DMコンパクト化のオービフォールド構造(2)オービフォールド間の写像(3)リーマン面の退化に関する「松本・モンテシノスの定理(以下、MM定理という)」。特にオービフォールド間の写像については、オービフォールドを亜群(グルポイド)と考えるMoerdijk達の理論を使って切り抜けることができて、所期の存在定理はほぼ完成した。この成果はリーマン面によるファイバー構造を持つ4次元多様体の研究にフィード・バックされるはずであり、それは今後の研究課題である。
以上の成果とは別に、次のような結果を得た。ファイバー構造を持つ複素曲面について局所符号数欠損公式が完成した(分担者:足利)。この証明の過程で、従来の安定還元定理の精密化が得られた(足利)。これはMM定理の代数幾何的な解釈に基づいている。研究期間内に、MM理論の詳細論文が出版できた(Springer Lecture Notes,No.2030)また、MM理論に現れる分数ねじれの公式がデデキント和の相互律に関係していることを発見した(足利)。
3次元複素射影空間内の超曲面が直線を含めば、それを軸とする「軸性ファイバー空間」の構造が入ることを発見した(松本)。このファイバー空間の構造はレフシェツファイバー空間の対極をなす構造である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Extended Zagier reciprocity for Dedekind sum via cyclic quotient singularities2012

    • 著者名/発表者名
      足利正
    • 学会等名
      Topology and Singularities and Related Topics III
    • 発表場所
      Dalat, Vietnam(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] 巡回商特異点に関する高次連分数とZagier相互律2011

    • 著者名/発表者名
      足利正
    • 学会等名
      リーマン面に関する位相幾何学研究集会
    • 発表場所
      東京大学(招待講演)
    • 年月日
      20110900
  • [学会発表] タイヒミュラー・モジュライ空間のコンパクト化とその上の普遍退化族について2011

    • 著者名/発表者名
      松本幸夫
    • 学会等名
      Mejiro mini-workshop on geometry and topology
    • 発表場所
      学習院大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-28
  • [図書] Pseudo-periodic maps and degeneration of Riemann surfaces2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Matsumoto, J.M.Montesinos-Amilibia
    • 総ページ数
      235
    • 出版者
      Springer-Verlag

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公開日: 2013-06-26  

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