研究課題/領域番号 |
20340016
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
安藤 清 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20096944)
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研究分担者 |
江川 嘉美 東京理科大学, 理学部, 教授 (70147502)
河原林 健一 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (40361159)
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キーワード | 離散数学 / 組合せ論 / グラフ / 連結度 / 直径 |
研究概要 |
グラフを計算機ネットワークの数学的モデルと見なすとき、ネットワークの切断を引き起こす故障計算機群の最小数に対応するグラフの連結度はネットワークの頑強性を表す最も基本的パラメータである。グラフの2頂点間の距離が大きいほど対応する計算機の間の情報伝達の遅れが大きくなる。よって、2頂点間の最大距離であるグラフの直径はネットワークにおける情報伝達遅延に関わる基本パラメータである。また、計算機群の故障はネットワークの切断を引き起こさなくとも、ネットワークにおける情報伝達遅延に影響を及ぼす。直径概念の一般化であるワイド直径は故障計算機群数を指定した場合のネットワークにおける情報伝達遅延を評価するパラメータである。 グラフのワイド直径はグラフの直径のみを含む式では上から評価できない。本研究ではグラフのワイド直径をとグラフの直径と最大次数を含む式で上から評価することに成功した。その辺の縮約が連結度を保存するとき、その辺を可縮辺と呼ぶ。グラフの連結構造の研究においては可縮辺の存在および分布の研究は基本的である。頂点数5以上の3-連結グラフには可縮辺が存在することを示したTutteの結果はこの分野の研究の嚆矢である。可縮辺を持たない4-連結グラフは無数に存在するが、4-連結グラフが可縮辺を持たなければ、それは4-正則で任意の辺が三角形に含まれることが知られている。本研究では4-連結グラフの非可縮辺の周辺の特異的な部分構造を探求し、4-連結グラフには次数5以上の頂点の数に比例して可縮辺が存在すること、また4-連結グラフには三角形に含まれない辺の数に比例して可縮辺が存在することを示した。さらにいずれの場合にも最良の比例定数を確定することに成功した。また、可縮辺を持たない5-連結グラフの次数5の頂点数の分布についても結果を得た。
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