証明論的順序数が決定できているすべての公理系に対して、そこでDelta-0-2であることが証明できるような自然数の部分集合はその証明論的順序数の弱下降列の安定性により収束が証明できること、逆にそのようにして収束が証明できる列の極限となっている集合は当該の公理系で Delta-0-2であることが証明できることを示した。 また構成可能公理と矛盾しない集合論の公理系は順序数の公理系に埋め込めるので、順序数の公理系を証明論的に解析してその証明論的限界を確定する「順序数の証明論」の現時点での概要を公表した。 さらに集合論 ZF で存在が証明できる可算順序数の限界を明らかにした。これは KPi の証明論のZF版である。Skolem関数について閉じているようにすることで正則順序数をcollapseしてZFの証明論的限界を明らかにした。 そして反映順序数の階層においてそのひとつ下での反映順序数をつくる作用素の繰返しにより証明論的に近似した。 これは反映的順序数の公理系の証明論的解析の系として得られる。つまりそのような公理系で存在が証明できる帰納的順序数を記述して、その順序数の存在をひとつ下の反映的順序数をつくる作用素の繰返しによって証明することによった。 それから弱コンパクト基数の存在をマーロ作用素の繰返しにより ZF上で証明論的に近似した。これは上記の反映順序数の階層におけるひとつ下での反映順序数をつくる作用素の繰返しによる証明論的近似とZFの証明論的限界とのふたつの結果をもとにして示された。
|