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2009 年度 実績報告書

禁止マイナーによって特徴づけされたグラフに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20340023
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

太田 克弘  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40213722)

研究分担者 田村 明久  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50217189)
小田 芳彰  慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (90325043)
キーワードグラフ理論 / グラフマイナー / 組合せ論 / 禁止部分グラフ / 禁止マイナー / 閉曲面上への埋め込み / 全域木 / 完全マッチング
研究概要

まず,平面グラフの概念の拡張として,K_<3,t>をマイナーとして持たない3連結グラフの全域木に関する研究を重点的に行った.このようなグラフの族では,取り除いた頂点数に対して生じる連結成分の個数がある程度抑えられるという事実は先行研究で分かっていた.その帰結として,最大次数がt+1以下である全域木の存在は知られている.これに対し,最大次数がt以下である全域木を持たないグラフで,マイナーに関して極小なグラフの性質を調べることにより,そのようなグラフはK_<3,t>をマイナーとして持つことがわかった.すなわち,K_<3,t>をマイナーとして持たない3連結グラフには,最大次数がt以下の全域木が存在することが示された.さらに,tが偶数のときには,全域木の最大次数をさらに1だけ下げられる見込みも立っている.これらの事実は,次数制約付き全域木に関する結果としては,最善の結果といえる.
禁止マイナーの観点から閉路問題,全域木問題,因子問題を解明するにあたり,まず禁止部分グラフに関する研究の再検討を行った.まず,完全マッチングと禁止部分グラフの関連についてはよく知られている事実がある.例えば,クローと呼ばれる4頂点のグラフを誘導部分グラフとして含まない偶数頂点からなる連結グラフは完全マッチングを持つ.この研究を極限まで推し進め,完全マッチングの存在を保証するような禁止誘導部分グラフの組み合わせをすべて決定することができた.その研究過程で得られた事実として,ある種の禁止誘導部分グラフについては,複数のグラフを禁止することにより,そこに明示されていないあるグラフを暗黙のうちに禁止することがある.このような現象がどのような形で禁止マイナーについて起きるかについては興味深い.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] K_6-minors in triangulations and complete quadrangulations2009

    • 著者名/発表者名
      R.Mukae, A.Nakamoto
    • 雑誌名

      J.Graph Theory 60

      ページ: 302-312

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two forbidden subgraphs and the existence of a 2-factor in graphs2009

    • 著者名/発表者名
      R.E.L.Aldred, J.Fujisawa, A.Saito
    • 雑誌名

      Australas.J.Combin. 44

      ページ: 129-136

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spanning trees with bounded total excess

    • 著者名/発表者名
      H.Enomoto, Y.Ohnishi, K.Ota
    • 雑誌名

      Ars Combinatoria (掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Forbidden subgraphs implying graph properties2010

    • 著者名/発表者名
      G. Sueiro, 太田克弘, 小関健太, 藤沢潤
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2010-03-24
  • [学会発表] 安定マッチングモデルとその拡張2010

    • 著者名/発表者名
      田村明久
    • 学会等名
      「制度・政策デザインと評価」ワークショップ
    • 発表場所
      筑波大学(招待講演)
    • 年月日
      2010-02-13
  • [学会発表] Spanning trees of graphs on surfaces2009

    • 著者名/発表者名
      小関健太
    • 学会等名
      Keio-Yonsei Cooperative Research Conference on Mathematical Sciences 2009
    • 発表場所
      延世大学
    • 年月日
      2009-11-19
  • [学会発表] Forbidden induced subgraphs for perfect matching2009

    • 著者名/発表者名
      G.Sueiro, 太田克弘
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2009-09-24
  • [学会発表] 経路問題と離散数学2009

    • 著者名/発表者名
      小田芳彰
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      大阪大学(特別講演)
    • 年月日
      2009-09-24
  • [学会発表] A Minimum Degree Condition for Forests2009

    • 著者名/発表者名
      太田克弘
    • 学会等名
      離散数学とその応用研究集会2009
    • 発表場所
      茨城大学(招待講演)
    • 年月日
      2009-08-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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