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2008 年度 実績報告書

代数解析的方法による量子可積分系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20340027
研究機関立教大学

研究代表者

神保 道夫  立教大学, 理学部, 教授 (80109082)

キーワードXXZ模型 / 相関関数 / フェルミオン / 共形場理論 / 量子戸田方程式 / Whittakerベクトル
研究概要

1)1次元の可解なスピン鎖であるXXZ模型の擬局所作用素の空間にはたらくフェルミオン構造を確立した。特に生成消滅演算子の構成とその交換関係の証明を行った。ただし生成演算子どうしの反可換性は今のところ弱い形(期待値の中)でのみ行われている。
2)上述の交換関係を用い,生成演算子を「プライマリ場」の格子類似に施すことにより擬局所作用素の空間の基底が得られることを示した。さらにこれらの基底の期待値は、ペアごとの期待値の行列式で与えられることを示した。
3)以上の結果は当初絶対零度の系に対してのみ得られていたが、さらに有限温度系を含む、非常に一般の状況で、期待値について同様の結果を得た。証明にはSmirnovによって以前提唱されたAbe1積分の変形のアイディアが本質的に用いられる。
この展開によって、連続極限の理論、特に有限体積の共形場理論、さらにsine-Gordon模型に代表される有質量の可積分場の理論について、フェルミオンを用いた新たな記述の可能性が開かれた。そのために当初計画を半年間延長し、可積分場の理論の専門家を招聘して研究打ち合わせを行った。それにより共形場理論への極限については明瞭な描像を得ることができた。これらの研究成果は論文に発表済みの一部をのぞき、現在まとめつつある。
4)別の研究として共形場理論における指標の組み合わせ的研究を継続した。アフィン・リー環の可積分表現におけるWhittakerベクトルの内積が量子戸田方程式を満たすことはよく知られている。本研究で、Drinfeld Casimir作用素を用いることにより、同じ量に対して別の漸化式を導き、それに対するフェルミ公式が従うことを示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Hidden Grassmann structure in the XXZ model III : Introducing Matsubara direction2009

    • 著者名/発表者名
      M.Jimbo, T.Miwa, F.Smirnov
    • 雑誌名

      J.Phys.A : Math.Theor. 42

      ページ: 304018(31)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fermionic formulas for eigenfunctions of the difference Toda Hamiltonian2009

    • 著者名/発表者名
      B.Feigin, E.Feigin, M.Jimbo, T.Miwa, E.Mukhin
    • 雑誌名

      Lett.in Math.Phys. 88

      ページ: 39-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Completeness of a fermionic basis in the homogeneous XXZ model2009

    • 著者名/発表者名
      H.Boos, M.Jimbo, T.Miwa, F.Smirnov
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Physics 50

      ページ: 095206(10)

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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