研究概要 |
(1)Gardiner-Sullivanにより導入された円周上の対称構造の研究はリーマン面の漸近的タイヒミュラー空間の理論へと一般化されたが,これと対比して,フックス群作用で不変な対称構造の変形空間の理論を構築し,この新しいタイヒミュラー空間の幾何学的構造を解明する. (2)群不変対称構造の剛性の問題を考察する.とくにフックス群の擬等角共役におけるメビウス剛性が,対称写像における剛性を導くことを証明する. (3)普遍タイヒミュラー空間の擬等角写像類群は円周の擬対称写像群と同一視できる.漸近的タイヒミュラー空間上のファイバーを不変にする部分群が対称写像群である.対称写像群の作用の固定点問題を考察することにより,円周の同相写像群がフックス群と共役になるための条件を与える問題を統一的に理解する.
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