研究課題/領域番号 |
20340040
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松元 亮治 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00209660)
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研究分担者 |
宮路 茂樹 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10157646)
花輪 知幸 千葉大学, 先進科学センター, 教授 (50172953)
横山 央明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (00311184)
廣瀬 重信 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 主任研究員 (90266924)
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キーワード | 理論天文学 / 数値天体物理学 / 磁気流体力学 / 降着円盤 / 宇宙ジェット / ブラックホール / 輻射流体力学 / X線天文学 |
研究概要 |
近似リーマン解法の一種であるHLLD法に基づくカーテシアン座標系及び円筒座標系の3次元磁気流体コードを国立天文台及び東京大学情報基盤センターのスカラー並列計算機に実装して並列効率を高めるチューニングを行った。その結果、空間2次精度の解法の場合には、従来使用してきた修正Lax-Wendroff法のコードの2倍程度の計算時間で数値的振動の少ない計算結果を得ることが可能になった。このシミュレーションエンジンを以前に開発した宇宙磁気流体シミュレーションソフトウェアCANSに実装して各種シミュレーションに適用した。星間ガスの冷却を考慮したジェット伝播シミュレーションの結果、ジェットと中性水素ガスの相互作用によって高温低密度ジェットを鞘状に包む低温高密度領域が形成されることが明らかになった。また、降着円盤の大局的3次元シミュレーションに適用することにより、準周期的な円盤ダイナモが発生する可能性を調べた。その結果、セル境界の値をより高い空間精度で求めて磁場の数値散逸を抑制する必要があることが判明したため、空間5次精度のスキームを実装した。輻射流体計算については輻射流束の時間発展を計算するM1スキームの実装を進めた。光子輸送のモンテカルロ計算を行うことによって輻射スペクトルを求める解析ツールの計算精度を高め、硬X線が強いハードステートから軟X線が強いソフトステートへの状態遷移中のスペクトル変化を計算して日本天文学会秋季年会で発表した。コード開発状況と各種磁気流体シミュレーションに適用した計算結果を2010年11月に台北で開催された東アジア数値天体物理学国際会議等で発表した。CANS改訂版の公開に向けて、全体設計の見直しも行った。
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