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2010 年度 実績報告書

バリオン宇宙の理論的探求と次世代X線衛星

研究課題

研究課題/領域番号 20340041
研究機関東京大学

研究代表者

須藤 靖  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90183053)

キーワード宇宙論 / X線天文学 / ダークバリオン / 流体シミュレーション / ハッブル定数
研究概要

銀河団やWHIMを研究するための第一段階の宇宙論的流体シミュレーションを我々は完成させたが、取り入れるべき物理過程はまだ数多く残っている。そのために、2010年10月にドイツよりKlaus Dolag博士を招聘し、計算コードに関する具体的な議論を行った。さらに、2010年7月にはイタリアのMassimo Meneghetti博士を招聘し、数値シミュレーションのデータ解析ともに共同研究を開始し、現在進行中である。ダークバリオン観測専用衛星の打ち上げに関しては、日本のみならず国際協力ミッションとして度重なる議論を積み重ね、継続的に提案を行っている。
また今年度は、以前より研究代表者らが理論的に提唱してきた銀河団ガスの温度構造と揺らぎに対する解析モデルである対数正規分布モデルを、実際のX線銀河団観測データに適用する過程で、X線衛星のデータ較正に大きな不定性があることを初めて指摘した。この結果は、銀河団を用いた宇宙論パラメータ推定において大きな系統誤差となる。そこで、この較正データの不定性が、パラメータ推定にどのような影響を及ぼすかを一般的に議論し、その一例としてスニャーエフ・ゼルドビッチ効果を用いたハッブル定数の値の信頼性について系統的な研究を行い、論文として発表した。銀河団ガスのゆらぎという観点は今まで考慮されたことがない新しい視点であり、次世代X線観測衛星でさらに追求すべきテーマを提示できたものと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Impact of Chandra calibration uncertainties on galaxy cluster temperatures : application to the Hubble constant2010

    • 著者名/発表者名
      Erik Reese, et al
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 721 ページ: 653-669

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DIOS : the diffuse intergalactic oxygen surveyor : status and prospects2010

    • 著者名/発表者名
      T.Ohashi, et al
    • 雑誌名

      Proc.SPIE

      巻: 7732 ページ: "77321S-1"-"77321S-9"

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unknowns and unknown unknowns : from dark sky to dark matter and dark energy2010

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Suto
    • 雑誌名

      Proc.SPIE

      巻: 7733 ページ: "773302-1"-"773302-11"

    • 査読あり
  • [学会発表] Unknowns and unknown unknowns : from dark sky to dark matter and dark energy2010

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Suto
    • 学会等名
      SPIE
    • 発表場所
      米国サンディエゴ(招待講演)
    • 年月日
      2010-06-28
  • [図書] もうひとつの一般相対論入門2010

    • 著者名/発表者名
      須藤靖
    • 総ページ数
      185
    • 出版者
      日本評論社
  • [備考]

    • URL

      http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~suto/mytalks.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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