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2011 年度 実績報告書

バリオン宇宙の理論的探求と次世代X線衛星

研究課題

研究課題/領域番号 20340041
研究機関東京大学

研究代表者

須藤 靖  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90183053)

キーワード宇宙論 / X線天文学 / ダークバリオン / 流体シミュレーション / ハッブル定数
研究概要

銀河団やWHIM を研究するための宇宙論的流体シミュレーションに関して現時点でもっとも優れた粒子法コードを持っているドイツのKlaus Dolag博士に加えて、同じくメッシュ法を用いた計算の世界的権威であるプリンストン大学のRenyue Cen博士から彼らの計算結果を提供してもらい共同研究を行った。
特に、従来の観測データ解析において暗黙的に正しいと仮定されていた静水圧平衡(HSE)のもとでの質量推定がどこまで信じられるかを定量的に議論した。。HSEは広く用いられているにもかかわらず、その妥当性は必ずしも明らかにされていない。例えば、Fang et al. (2009) および Lau et al. (2009) は、同一のシミュレーションを用いて、銀河団のHSE質量と真の質量との差異は10 % 程度以下であると結論した。しかし、前者はこの差異の原因はガスの回転運動であるとした一方で、後者はガスのランダム運動であるとし、解釈が矛盾したままである。
我々は、これが彼らの用いた定式化の物理的な解釈そのものの混乱に起因していることを見いだした。具体的には、流体と銀河成分の基礎方程式にそれぞれ立ち返り、Euler方程式とJeans方程式との対応関係を明確にし、両者の正当性や解釈に矛盾が生じた原因を明らかにした。その定式化に基づいて、別のシミュレーション銀河団 (Cen 2010) を解析した。その結果、このシミュレーション銀河団においてもHSE 質量と真の質量の差異は10 % 未満となったが、その差異はガスの加速度に起因するものであることを示した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Validity of Hydrostatic Equilibrium in Galaxy Clusters from Cosmological Hydrodynamical Simulations2013

    • 著者名/発表者名
      Daichi Suto
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 767 ページ: 79

    • DOI

      10.1088/0004-637X/767/1/79

  • [雑誌論文] ORIGIN: Metal Creation and Evolution from the Cosmic Dawn2012

    • 著者名/発表者名
      den Herder
    • 雑誌名

      Experimental Astronomy

      巻: 34 ページ: 519 - 549

    • DOI

      10.1007/s10686-011-9224-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Imaging Simulations of the Sunyaev-Zel'dovich Effect for ALMA2012

    • 著者名/発表者名
      Kenkichi Yamada
    • 雑誌名

      Publication of Astronomical Society of Japan

      巻: 64 ページ: 102

    • 査読あり
  • [学会発表] シミュレーションによる銀河団静水圧平衡の検証と質量推定の系統誤差

    • 著者名/発表者名
      須藤大地
    • 学会等名
      日本天文学会2012年秋季年会
    • 発表場所
      大分大学
  • [学会発表] シミュレーションによる銀河団静水圧平衡の検証と質量推定の系統誤差II

    • 著者名/発表者名
      須藤大地
    • 学会等名
      日本天文学会2013年春季年会
    • 発表場所
      埼玉大学

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公開日: 2014-07-24  

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