研究課題
基盤研究(B)
宇宙論的数値シミュレーションを用いて、宇宙のダークバリオンの有力な候補であるWHIM(Warm-Hot Intergalactic Medium)の検出可能性を詳細に議論した。我々の解析結果は、日米蘭の宇宙ミッションORIGINの提案に重要な役割を果たしたが、残念ながら採択にはいたらなかった。しかし、これはJAXAの次期小型衛星ミッション公募プログラムに、DIOS(Diffuse Intergalactic Oxygen Surveyor)衛星計画として再提案される予定である。これに加えて、銀河団ガスの詳細なモデル化を行い、従来無視されていた銀河団ガス密度と温度の非一様性に関する統計モデルを構築し、それを実際の観測データによって検証した。さらにこのモデルが銀河団を用いたハッブル定数の測定に与える系統誤差を指摘した。最後に、広く用いられている静水圧平衡の仮定の正当性を数値シミュレーションデータを用いて検証し、その仮定の下で得られる質量が真の質量に比べて約2割程度のずれを示す事を見いだした。
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http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~suto/mytalks.html