研究概要 |
私達は炭素同位体において中性子過剰核中の強束縛内殻陽子の密度分布半径が収縮する事を見いだした。不安定核中の中性子にも同様な現象が起こっている可能性がある為、本研究では不安定核中の中性子密度分布を(p,pn)中性子ノックアウト反応によって測定し、半径の系統的変化を調べる事を主目的とする。(p,pn)反応を不安定核ビームを固体水素標的に照射し、準弾性散乱により放出される陽子と中性子のうち、中性子の4元運動量を測定する為の大型中性子検出器の製作が実験遂行上最も重要である。中性子検出器65mmx100mmx2000mmのシンチレータ両端に光電子増陪管をつけたもの64本を16本ずつ4層に配置する構成で、前面には荷電粒子ベト用検出器を設置する。有効領域は水平方向2m、垂直方向1m、厚さは0.4mである。 今年度は昨年度に引き続き、中性子検出器64本とベト検出器4本の製作を続け、製作を完了した。さらに、検出器架台を製作し、64+4本の検出器を架台上に設置後し、高圧、信号ケーブルの配線と高電圧印加回路や読出回路への接続と試験を行った。 平行して、入射ビームの運動量をビームごとにタグする為の低圧力MWPCの開発と製作を行い、実験に使用するビームラインのF5運動量分散焦点面真空箱に設置して試験を行い、予想通りの性能を得た。 実験計画を2009年6月開催の理研RIBF-PACに提出しビームタイムが認められた。
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