研究概要 |
私達は炭素同位体において中性子過剰核中の強束縛内殻陽子の密度分布半径が収縮する事を見いだした。不安定核中の中性子にも同様な現象が起こっている可能性がある為、本研究では不安定核中の中性子密度分布を(p,pn)中性子ノックアウト反応によって測定し、半径の系統的変化を調べる事を主目的とする。 中性子検出器の読み出し回路の接続/調整と平行して、運動量分散焦点面F5真空箱内において位置測定によりビーム運動量をタグする低圧力MWPCの開発と製作を行い、試験の結果ほぼ目標の性能を得た。 2010年6月に理化学研究所RIBF施設において(p,2p)陽子ノックアウト反応を用いた陽子密度半径の測定を行うNPO702-RIBF17実験と、(p,pn)中性子ノックアウト反応を用いた中性子密度半径の測定を行うNPO906-RIBF16実験がスケジュールされた。両方の実験に必要なビーム検出器、陽子検出器、前方粒子検出器に加え、昨年度検出器本体が完成した中性子検出器を含む実験セットアップの設置と調整を完了した。固体水素標的とビームエネルギー250MeV/Aの^<6,8>He,^<7,8,9,11,>Liビームを用いて(p,2p)陽子ノックアウト反応のデータ取得を終了した。
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