(1)Zeeman効果を用いた測定:大型高精度超伝導磁石をもちいて約2ヶ月間の測定実験を行い、HFS=203.3804+-0.0022(stat.11ppm)+-0.0081(sys.40ppm)の結果がえられた。系統誤差40ppmは磁場の非一様性に起因するものであり、次回の測定では補償コイルを導入し一様性を高めたために、約1/10に抑えることが出来ることがわたった。統計誤差も数ppmに抑えるには約1年半の測定で可能になり、LaBr3シンチレーターを用いた高速のシステムで高統計の測定が機能していることが判明した。これで熱化を取り込んだ、より一様性の高い磁場での新しい測定方法が機能することがわかり、実際の長期測定を開始した。 (2)203GHzのサブテラヘルツ波を用いた直接遷移測定:500Wジャイロトロンを製作した。出力の安定性が現在の問題であり、電子源パワーへのフィードバックシステムの設計をおこなっている。ジャイロトロン出力はTE03モードでありその光学特性の測定を行った。これをガウシアン変換器に通して、ファブリペロー共振器と結合させる。この変換効率が50%と大きな損失があることが判明し、変換効率を改良する光学系の設計を行っている。
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