• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

ミリ波を用いたポジトロニウム超微細構造の直接測定

研究課題

研究課題/領域番号 20340049
研究機関東京大学

研究代表者

浅井 祥仁  東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60282505)

キーワードポジトロニウム / 量子電磁気学 / テラヘルツ波 / 超微細構造 / ジャイロトロン
研究概要

本研究の成果は以下の3つである。
(1)ジャイロトンを用いて安定的なミリ波(203GHz)の強力(300W)発生源を開発することに成功した。モードコンバーターを製作してTEO3出力をTEMOOガウス光に変換して効率30%でパワーを転送することに成功した。効率が低い理由を調査し、ジャイロトン出力にTEO3以外の成分が多く混ざっていることが原因であった。
(2)金のメッシュ(150ミクロンギャップ、メッシュ幅200ミクロン)ミラーと銅の凸面鏡でミリ波を閉じ込めるFabry-Perot共振器を製作した。ピエゾ素子をもちいたステージを用いて100ミクロン精度で二枚の鏡面を制御した。Coupling 67%でガウス光を入力させ、Finess 600を実現させることに成功した。これにより内部に11.6kWのパワーをためることに成功した。
(3)22Naから放出される陽電子をGas中(イソブタン10%+窒素90%混合気体圧力1気圧)中で止めポジトロニウムを生成した。ミリ波の誘導輻射の効果でo-Ps(スピン3重項)からp-Ps(スピン1重項)状態に遷移した事象の観測に成功した。これはM1遷移で遷移確率が3×10^<-8>s^<-1>と極めて小さくこれまでミリ波帯では観測された例は無く初めての観測になる。観測された遷移確率は(3±0.8)×10^<-8>s^<-1>でありQEDの予言と一致する結果であった。
現在は、ジャイロトンの発生周波数を可変にして、遷移確率の周波数依存性(ブライトウィグラー共鳴曲線)の測定をおこなっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Probing the Energy Structure of Positrnium with a 203 GHz Fabry-Perot Cavity2010

    • 著者名/発表者名
      S.Asai, et al
    • 雑誌名

      J.Phys.Conf.Ser.199

      巻: 199 ページ: 012002

  • [雑誌論文] Precise measurement of Hyper Fine Structure of positronium using sub-THz light2010

    • 著者名/発表者名
      S.Asai, et al
    • 雑誌名

      ArXiv

      巻: 1003 ページ: 4324

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi