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2008 年度 実績報告書

天体における炭素-ヘリウム核融合反応断面積の直接測定

研究課題

研究課題/領域番号 20340056
研究機関九州大学

研究代表者

相良 建至  九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00128026)

研究分担者 寺西 高  九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10323495)
池田 伸夫  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70193208)
橋本 正章  九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20228422)
キーワード天体核反応 / ヘリウム燃焼 / 直接測定 / 極低バックグランド測定 / タンデム加速器 / 膜なし気体標的
研究概要

水素燃焼を終えた星は、やがてヘリウム燃焼を始める。このヘリウム燃焼においては、3α→12C+γとα+12C→160+γの2つの反応が主であるが、α+12C→160+γ反応速度が40年の世界的競争を経ても未だに正確に測定できていない。近い将来にこの測定が可能なのは、ドイツグループと我々九大グループだけであろうと、みなされている。
H20年度には、(1)まず、長年の懸案であった膜なし気体(ヘリウム)標的を25Torrに高圧化することに成功した。冷却方式を諦め、微調整可能な常温型装置を設計製作し、真空排気系も工夫した。実質上、世界一の標的厚さである。15年越しの解決をえた。その厚さ測定に従来用いてきたd+α後方散乱には致命的欠陥があると判明し、p+α散乱での測定を試み、テスト実験に成功した。
(2)次に、バックグランド低減のために、現有装置(長時間チョッパー)を加工して可動スリット系を装着し、ビームも線入りにアラインメントした結果、Ecm=2.4MeVできれいなデータが得られた。過去5年間のBG問題が解決し、今後のEcm=1.0MeVまでの測定のBG問題解決のめどがついた。大きな前進であった。
上記をもとにEcm=1.5MeVの測定をも行うのが今年度初めの計画であったが、特に(2)、テスト実験を繰り返さざるを得なかったので、で時間を費やした。その原因は、実験チームの技術力低下にあった。テスト実験は、大学院生と助教及び准教授が実質的に行っているが、修士で卒業する院生が殆どで、実験ノウハウの継承が想像以下になってきた。大学の人員削減で。予定とおりの教員補充が出来ないことも主因の一つである。
それでも実験を成功させるために、チーム技術力向上のてこ入れをも行った。Ecm=0.7MeVまでの測定を行うのが、最終目標であり、H21年度8月には新助教(パーマネント)が採用できることになった。この天体核反応実験に集中してもらうことに周囲の同意を得た。大きな戦力がようやく得られることになった。

研究成果

(2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 学会発表

  • [雑誌論文] A blow-in type windowless gas target for astro-nuclear experiments2008

    • 著者名/発表者名
      K. Sagara, 他5名
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods A 590

      ページ: 194-197

    • 査読あり
  • [学会発表] 九大における天体ヘリウムー炭素反応速度測定の現状2008

    • 著者名/発表者名
      相良 建至
    • 学会等名
      第114回日本物理学会九州支部例会
    • 発表場所
      福岡工業大学
    • 年月日
      2008-12-06

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公開日: 2010-06-10   更新日: 2016-04-21  

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