研究課題
北半球最大の極高エネルギー宇宙線観測装置である宇宙線望遠鏡(Telescope Array, TA)実験のための「スタンダードキャンドル(較正用標準光源)」として、射出方向可変で可搬な紫外線レーザー光源を製作した。TA実験は世界で初めて高エネルギー加速器による電子ビームで較正される空気シャワー観測装置であるが、この加速器は固定設置されているため、較正されるのはTA実験を構成している望遠鏡のごく一部に限られる。そこで、本研究で製作した紫外線レーザー光源を用いて全ての望遠鏡を較正する。H20年度に装置を製作し、H21年度には架台部の制御プログラムの開発とポインティング精度0.1゜を確認した。H22年度にはTA実験内での運用を開始した。併せて、レーザー光の大気散乱光による擬似的空気シャワー事象のためのシミュレーションプログラム、およびデータ解析プログラムを開発し、完成させた。これらによって、大気蛍光望遠鏡の較正装置は完成した。電子加速器の定常運用が始まれば、これとの共同運用を開始する。現在のところは、TA実験内中央レーザー施設内に設置されている紫外線レーザー光線の較正のために、共同運用を行い、装置の絶対光量の決定精度などの評価のためのデータ解析を行っている。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)
arXiv:1101.1852v1[hep-ex]10 Jan.2011
ページ: 24-25
AIP Conf.Proc., Vol.1238, TOURS Symposium on Nuclear Physics and Astrophysics-VII(edited by H.Susa, et al.)
ページ: 365-368
http://www.telescopearray.org
http://alpha.sci.osaka-cu.ac.jp/ocu_ta