研究課題/領域番号 |
20340066
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
古屋 貴章 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (70156975)
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研究分担者 |
梅森 健成 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (60353364)
飛山 真理 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (60207595)
高橋 毅 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 技師 (90391747)
尾崎 俊幸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 講師 (60169282)
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キーワード | エネルギー回収リニアック / 超伝導空洞 / CW型超伝導空洞 / 高調波減衰器 / 高周波入力結合器 / 磁気シールド / クライオスタット |
研究概要 |
大電流電子ビームを加速するエネルギー回収型リニアックを実現するために開発を要する構成要素には、エネルギー効率の良い超伝導加速空洞本体、高周波電力を供給するための入力結合器、加速ビーム自身が作る有害高調波を吸収減衰させるための高調波減衰器、およびこれらを収容するためのクライオスタットがある。研究2年目の主な研究成果は以下の通りである ・1年次および2年次の結果をコーネル大学で開催されたERL09会議、およびベルリンで開催されたSRF2009会議で報告した。 ・空洞開発では、引き続きERLに最適化した9連空洞の性能評価試験を行い25MV/mの加速性能を確認したが、空洞内部の放電による電圧の劣化を観測した。空洞内部の現象とその場所を知るために温度と放射線の分布計測を行い、また小型CCDカメラによる内部観察を行い、内面に微小な突起を見つけ機械的に削り落とした。その後この低温を準備している。 ・入力結合器開発ではベローズ部の高周波発熱対策が重要であり、銅メッキの厚みを決定するためのメッキ試験を行いメッキ厚みの分布を調査した。また電力試験での放電からセラミック窓を保護するためにアークセンサーを購入して電力試験を実施し、所定の20kWを達成した。 ・高調波減衰器の開発では、クシ歯型ベローズ部のモデルを作り、その稼働寸法を計測した結果、クライオスタット設計の参考値を得た。 ・クライオスタット開発では、空洞冷却時の真空シール対策として、ニオブの線膨張率に近いチタン材を用いた実寸大のフランジを製作し、そのヘリウム冷却試験を行った。2Kまで冷却したところで実働時の荷重を模した試験を実施し、真空シール材やシール部寸法、冷却速度など、クライオスタット設計に必要な数値を得た。また、運転時に空洞にかかる応力を計測するために必要なロードセルの低温での動作特性を計測し、低温下で使用するロードセルを決定した。
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