研究分担者 |
梅森 健成 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 講師 (60353364)
飛山 真理 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (60207595)
尾崎 俊幸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 講師 (60169282)
阪井 寛志 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (50345229)
西脇 みちる 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 特別助教 (70555614)
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研究概要 |
エネルギー回収型リニアックの基幹要素としては、エネルギー効率の良い超伝導加速空洞本体、高周波電力を供給するための入力結合器、有害高調波を吸収減衰させるための高調波減衰器、およびこれらを収容するクライオスタットなどである。研究3年目の主な研究成果は以下の通りである。 1,これまでの研究で最適化された加速空洞の形状を実現するために、成形や溶接、機械表面処理など製作に関わるパラメーターを最適化して、形状や機械強度、加速性能を保証する製作手法を確立した。それにより28MV/mの加速電場を有する空洞が得られた。 2,入力結合器開発では、試作した結合器を液体窒素で冷却して現実に近い条件で電力試験を行い、要求を上回る25kWのCW電力を安定に印加することに成功した。これにより、熱侵入対策や内外導体の冷却、セラミック窓のエージング手法などに関する基礎試験が完了した。 3,高調波減衰器では、HIP工法を用いて銅ダクト内面にフェライトを焼成しその冷却試験を行った。この結果、要求される高調波減衰特性と冷却性能、熱絶縁性能を検証するとともに、冷却速度など実用上の必要なパラメーターを得ることができた。 4,空洞周波数を制御するための周波数チューナを試作し、精密調整するためのpiezo素子と昨年度試験したロードセルを組み込んで動作試験を行った。室温での試験では必要な動作精度が確認され、チューナーの基本設計指針が確立した。 5,超伝導空洞には、地磁気が補足されてできる常伝導部とそこが発生するジュール損失を防ぐ目的で磁気遮蔽が必要であるが、低温で優れた遮蔽性能を示す決定的な材料は未確立である。このため材料とその焼鈍条件を試験し、遮蔽構造や板厚など設計に必要な基礎データーを得た。 6,これらの基幹要素を含む9セル型空洞2台を収納するクライオモジュールを設計した。 これらの成果をIPAClOや日本加速器学会などで発表した。
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