研究概要 |
磁気温度計マイクロカロリメータは、常磁性体の磁化の温度変化を温度計として用いる。これまでに作成したピックアップコイルとSQUIDを一体化した素子の性能を測定し、学会発表を行なった。連携研究者として佐藤浩介氏の協力を得ている。また、読み出しノイズを下げるために、新たにSQUID駆動装置を購入し、セットアップを始めている。今年度は、冷凍機の故障があり、極低温での測定に困難が生じたために、液体ヘリウム温度での測定に重点をおきつつ、測定用プローブの製作と冷凍機の修理を続けている。誘電体カロリメータに関しては、連携研究者である高島浩氏の製作したSTO素子に関して、静電容量の測定を進めている。連携研究者前畑京介氏により、100-200mKの温度範囲で100kHzまでの特性を測ることができた。低温では周波数依存性が大きくなるようである。より高周波での特性を測定するために、GHz帯に対応するマイクリストリップラインの自作と、同軸ケーブルを備えた低温用プローブの製作を行なっている。今後フィルターラインを製作し、特性評価を行なう。観測的研究に関しては、X線天文衛星「すざく」を用いて銀河からの重元素の放出過程についての研究を進めている。具体的には渦巻き銀河NGC4631,銀河群NGC507およびLMC方向での星間・銀河間空間でのホットハローの直接観測と重元素量の決定ができ、2型超新星起源の元素が銀河間空間にでていく過程について検証を行なっている。
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