研究課題
基盤研究(B)
宇宙の化学進化の解明には、複数の元素の存在量を測定し、その生成 と拡散のプロセスを追うことが必要である。X線を用いた、超新星残骸、銀河、銀河団等の観測では、元素量を正確に測定することが可能であるが、これまでの検出器の感度では、主に鉄、シリコンなどごく少数の元素にかぎられていた。本研究は、(1)X線領域での超精密分光、すなわち分光能力E/ΔE>2000を達成するような分光素子を非抵抗型温度計を用いたマイクロカロリメータアレイで実現することを目指す。マイクロカロリメータのエネルギー分解能を決めるノイズとして、検出器そのものの熱揺らぎによるフォノンノイズを避けることはできないが、抵抗温度計を用いる場合は、さらにジョンソンノイズによる劣化が不可避である。そこで本研究では、磁気温度計と誘電体温度計、特に低温で大きな誘電率をもつ酸化物ペロブスカイト誘電体の一種であるSrTiO3(STO)に着目し、開発を行う。(2)また観測的研究も継続することで、現状の観測限界にせまり、今後目標とすべき測定エネルギー帯域、エネルギー分解能、素子面積と画素数などを定量化する。
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