研究課題/領域番号 |
20340071
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
粕谷 厚生 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教育研究支援者 (10005986)
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研究分担者 |
須藤 彰三 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40171277)
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研究期間 (年度) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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キーワード | 微粒子 / ナノ粒子 / II-VI族化合物 / 篭状粒子 / マイクロクラスター / CdSe / 量子ドット / 量子箱 |
研究概要 |
本研究では原子数まで正確に揃えた欠陥の全くない直径1nm台の半導体粒子を合成し、100%の効率で発光する超微細電子素子の創製を目指した。1nm台の粒子は構成原子数nが100を割り、1個の増減で安定性が著しく変化するようになる。この性質を利用すれば、特定のnを持つ安定な粒子だけを選択的に成長させることが出来る。原子数が決まれば原子配列は一意的に定まり、欠陥の全くない完全に単一な粒子が得られる。これにより効率低下の主因である構造欠陥を取り除いて損失の全くない1nm発光体を作製することが可能になる。 これを追求するために光学材料として優れたII-VI族半導体の一つであるCdSeについて、粒径が1nm台で完全に単一な(CdSe)13、(CdSe)19、(CdSe)33、(CdSe)34、等を溶液中で選択的に生成した後、引き続き僅かに成長或は表面修飾を施して発光効率の変化を調べた。この試料につき、終端原子を含めた1nm粒子の構造と発光効率との関係を微視的に解析することによって励起された電子が精密な原子配列の中で単一な緩和過程を経て最大高率で電子的機能を果たす条件を以下の実験で考察した。 1)核磁気共鳴による原子配列および結合状態の同定。(前川、粕谷、協力者)、2)X線回折による構造決定。(粕谷、協力者)、3)光吸収および発光スペクトルの測定と考察。(粕谷、須藤)、4)第一原理計算の結果との比較。(前川、粕谷、協力者)、5)光吸収、発光、ラマン散乱による電子状態、結合状態、の解析。(粕谷、須藤、協力者) 今年度は特にX線、NMR、ラマンの測定結果を総合的に解析した。その結果(CdSe)13、(CdSe)33、(CdSe)34は篭状の構造で安定であるが、(CdSe)33、(CdSe)34について溶液の種類を選んで更に成長させると発光効率が飛躍的に向上し、ほぼ100%になることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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