研究課題
Si(0001)表面上に真空中で酸窒化シリコン超薄膜を繰り返し形成させるためのクリーニング方法の検討をおこなった。その結果、アルゴンイオンスパッタリングにより表面に吸着した不純物を取り除き、シリコン蒸着と加熱を行うことにより、理想表面上にシリコンが吸着した(root3 x root3)R30構造を繰り返し得ることができた。また、その構造を低速電子回折により決定した。Mo(112)単結晶基板上の酸化シリコンの構造解析を行った。M6(112)基板表面をクリーニング後、シリコンの蒸着と酸化を行うことで酸化シリコン薄膜のc(2x2)構造を形成させ、その構造を低速電子回折により決定した。この酸化シリコン薄膜は大気中でも安定であることがわかった。また、Mo(112)清浄表面上への酸素吸着構造についても低速電子回折による構造解析を行い、「従来と異なる被覆率の構造が形成していることを明らかにした。さらに、シリコン蒸着後に一酸化窒素を導入することにより、酸窒化シリコン膜のc(2x2)構造の形成を見出すことができた。サファイア基板上に成長させた銅薄膜上の単層グラフェンの構造解析を試みた。Cu(111)単結晶ディスクと比較することにより、サファイア基板上の銅薄膜が単結晶であることを明らかにすることができた。単層グラフェンはこの単結晶銅薄膜上にエピタキシャル成長していることがわかった。タングステン針の先鋭化については、水をエッチングガスとして電界誘起ガスエッチングを行うことにより、周辺部を素早く削ることが可能となり、開き角が3度程度と、以前よりも開き角の小さな電子線を得ることができるようになった。これにより、以前よりシャープなグラフェンからの回折パターンを得ることができた。
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