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2010 年度 実績報告書

CeCoIn5におけるFFLO状態と特異な渦糸コアに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20340082
研究機関北海道大学

研究代表者

熊谷 健一  北海道大学, 名誉教授 (70029560)

キーワード強相関電子系 / 超伝導 / 核磁気共鳴 / 磁気秩序 / FFLO相
研究概要

重い電子系超伝導体CeCoIn5(Tc=2.3K)は、超伝導転移が1次相転移であり、さらには、この常伝導-超伝導転移に加え強磁場・極低温領域で新たな超伝導相が出現する。この新奇超伝導相はPauli limitを超える強磁場中において現れるFFLO状態であることが期待されている。また、多くの実験結果はCeCoIn5が量子臨界点近傍に位置することを示しており、特異な磁気的性質が現れる。我々はCeCoIn5の低温・強磁場領域での新たな超伝導相においてab面内およびc軸に磁場を加えてInサイトでのNMRスペクトルの磁場および温度依存性を詳細に測定した。これまで明らかにしたことは、1.Pauli limitを超える強磁場で下での超伝導状態での局所スピン帯磁率温度依存・磁場依存性を明らかにした。特に、a)一次相転移での局所スピン帯磁率の不連続変化をナイトシフトの変化として観測したのは最初の例であり、b)新奇超伝導状態でのスピン帯磁率の抑制の磁場依存性の解析より、ノード構造を伴うFFLO相であると結論した。
2.H//a-axisに比べてH//c-axisの場合には、FFLO相はH-T図で極めて狭い領域にのみ現れ、BCS相との境界線の磁場依存性はほとんど無いこと。
3.H//a-axisの磁場印加でIn(2)サイトにおいて内部磁場を受けた特徴あるNMRスペクトルが観測され、非整合磁気秩序の出現が明らかになり、その磁気秩序は系全体に一様に出現すること。
4.さらには、ab面内から印可磁場の角度を変化させると、磁気構造が変化し、20°付近で磁気秩序とFFLO相が消失することを明らかにした。新奇超伝導相内でのみで出現する特異な磁気状態とFFLO相の共存の詳細を明らかにしたことは今後の研究に重要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] NMR Study of Magnetically-Ordered State in a Novel Superconducting Phase in CeCoIn52010

    • 著者名/発表者名
      K.Kumagai, N.Kondoh, H.Shishido, Y.Matsuda
    • 雑誌名

      Physica C

      巻: 470 ページ: S533-S535

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unconventional superconducting phase in the weakly correlated noncentrosymmetric Mo3Al2C compound2010

    • 著者名/発表者名
      E.Bauer, G.Rogl, X.Chen, H.Michor, G.Hilscher, E.Royanian, K.Kumagai
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B

      巻: B82 ページ: 64511

    • 査読あり
  • [学会発表] NMR study of a new superconducting phase in a strongly-correlated electron system of CeCoIn52010

    • 著者名/発表者名
      K.Kumagai
    • 学会等名
      International Conference of Superconductivity and Magnetism (ICSM-2010)
    • 発表場所
      Porto Bello Hoel (Turkey)(招待講演)
    • 年月日
      20100425-20100430

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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