研究課題
基盤研究(B)
近年、分子性強相関電子系(電子問のクーロン斥力が強く、1電子近似が成り立たない系)においても、クーロン斥力を回避すべく、電荷の疎密が空間的に規則正しく並んだ「電荷秩序状態」が理論的にも実験的にも精力的に研究されている。本研究では、電荷秩序状態に外場を与えた時の新電子機能として、電場印加時の非線形伝導と隠れた準安定状態の機構解明を行うことを目的としている。具体的には以下である。(1)チェッカーボード型電荷秩序状態を有する有機導体β一(切θ50DMeET)2PF6および周辺物質の電気伝導率を、電場、温度、時間、周波数を関数として測定する。(2)表題物質において隠れた準安定状態をもっ特異的な非線形伝導に関する電子相図を完成させる。(3)電場下でのX線散漫散乱などの実験や理論的考察で、非線形伝導における負性抵抗および電場下の準安定状態について理解を深める。(4)特に、電場印加と圧力印加での電荷秩序融解を、実験で比較検討し、電荷、スピン、格子に加え、第4の物性パラメータである分子の自由度の明確化に挑む。
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